Music Novel

□ナチュラルに恋して
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 都心にそびえ立つ高級マンション。空を切り裂くようにまっすぐ立つそのマンションの20階で私は居候をしていた。今日は晴れていて、洗濯日和。都内、しかも高層マンションということでちょっと大変だが、私は久々に洗濯物を日干しした。
「う〜ん、いい天気!」
 この部屋のいいところは晴れていると空を何も邪魔されずに拝めること。澄み切った青はとても綺麗でいつ見ても気分がスッキリする。

―♪ナチュラルに恋して、ナチュラルにキスしてよねえ・・・

 私は最近発売された最新のウォークマンを買ってお気に入りの曲を聞きながら家事をしていた。この曲はリズム感が好きで、佐伯さんのいないところで密かに踊っていたりする。また、このリズムがテンションを上げ、家事の効率をあげてくれる。
「ふふふふふふ〜ふんっ♪」
 いつの間にか鼻歌まで歌ってしまう始末のハマり方をしてしまっている。おかげで今日の私は気分がいい。いい天気のもと、そっとなびく白いシャツたち。靴下はちらりと見えて白の衣服のアクセントになっていて面白い。私は部屋に戻って掃除を始めた。
 もどって真っ先に見えたのはカレンダー。そこには、私が書き込んだ跡。それは今夜の佐伯さんのわがままの内容だった。
「今夜、どうしようかな・・・?」
 今夜はある意味私にとっても大切な夜である。佐伯さんに日頃思っていることを伝える絶好の機会だ。
「佐伯さん、どうせなら喜んでくれるといいな・・・。」
 今日はなんだか気分のいい日なのか、そんなことを思っている自分がおかしいとは思えなかった。いっそまあいいや、今夜が楽しみだと思っている。掃除をするはずが、私は今日の夕食の献立を決めに軽い足取りで鼻歌を歌いながら買い物をすると予定変更をしていた。
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