文学者達ノ恋模様

□仮装は嫌いですか?
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「いてッ、いった!!太宰さん?!!!痛いんですけど!!何か怒っているんですか!?!」
乱暴に押し倒された敦は、たまらず声をあげた。
「敦君さぁ」
何かを堪えたような声の冷たさに、思わずかたを震わせてしまう。
何か自分は、してはいけないことをしたのだろうか。
「こんなさぁ」
くいっと、首のリボンを引っ張られる。圧迫感に顔を歪め、太宰を見る。
「自らさぁ、据え膳になるとかさぁ」
………ん?
「ほんっとにさぁ……可愛い最高有り難う」
「太宰さん?色々大丈夫ですか?」
「自分の心配した方が良いと思うよ。こんな、一寸腹黒いお嬢様みたいな格好して」
つぅ、と太宰の指が、敦の服、黒いレースの上を這う。
「無事で済むと思ってたの?」
このままじゃ喰われる。焦った敦は、考えなしに彼の名を呼んだ。
「だ、だだ太宰さんッ!」
「なぁに?」
「おッ」
「お?」


「おすわり!!!」
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