文学者達ノ恋模様

□虎と蜘蛛とグッド・バイ
2ページ/2ページ

「ん、ふぅ……ッ、は……」
 悩ましい声が、部屋に響く。
「随分可愛らしい声で鳴くんだな」
「ッ、ぁ、耳元で喋ンなッ……!」
 敦の背後にいる芥川は、彼が暴れないように後ろから手を繋ぎ止めていた。
「ふぉこへいひゃいひゃしなひの」
「うぁッ、ちょ、そッこで、喋んないでくだ、さいッッ」
「ふぁんへ?」
「ッッ!!」
 太宰は敦のソレをくわえていた。なぜか、やけにテクニックがある。彼の喉が上下に動く度、敦の息が艶やかさを増していった。
「太宰さん、此方は良いんですか?」
「ふぁ、あふたがはくん、ひゃってひひよ」
「有り難う御座います」
「何で会話できてるんですかッ」
 後、其処で喋るな!
「じゃあ、遠慮なくヤらせて頂く」
「まっ、何その不穏な響きの言葉……え、え?!!」
 ぬる、と芥川が自分の唾液で濡らした指を、敦の後輪にあてがった。
 思わぬ刺激に身をよじるが、今度は前でソレを弄んでいる太宰に阻止される。舌先で頂点をおされ、ゾクゾクとした危険な快感が、敦を襲う。
「んぁあッ、だ、太宰、さ、それ、やめッ、ああぁッッッ」
 前に集中していた敦。すると。
「ひッ?!!」
 指、が。
 狭い敦の孔を抉じ開け、彼のナカに入ってくる。
「や、き、気持ち悪い……ッ」
「すぐ慣れる」
「ふ、うぅ……ん………」
 何かを探るように指が動かされた。異物感に少しだけ萎えていた敦だったが。
 ぐりッッ
「あ゛ッ?!!」
 余りの刺激に視界がスパークする。呼吸を整えながら後ろを振り向くと、芥川がニヤリと微笑んでいた。
「ぷはッ、あ、芥川君見付けたの?」
「みたいですね」
「あ、あ、、あ」
「じゃあ、一回……」
 太宰の言葉を聞き、頷く芥川。
 すると、太宰は敦の腹や首を唇でなぞり、さらに、敦のソレを手で抜き始めた。
「や、あぁぁッ、だ、ざい、さッ、あッ」
「こっちも忘れるなよ?」
「ふぅあッッッッ」
 前立腺だけを、指で何度も擦りあげられる。 
 前も後ろも的確に急所だけを突かれ、白い喉が仰け反った。
「も、あ、あ、いッイっちゃ、あ、あああッッッッッ」
 後半は、声も出ずに達した敦。
 意識が落ちる寸前、自分を見つめる二人の異能者に、不覚にも、心を高鳴らせてしまった。



「芥川君」
「何でしょうか」
「敦君可愛かったね」
「そうですね」
「所で、ひとつ良いかな」
「どうぞ」
「私、イってないのだけれど」
「そうですか。僕は人虎をヤりながら自分もヤったので」
「一寸お願いが……」
「自分でヤって下さい。おやすみなさい」
「(泣)」
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ