文学者達ノ恋模様
□「もっと」
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いきなり首筋に触れてきた事に驚き、思わず首をすくめる。
「いや、あっ」
みじろぎをすると服が体に擦れ、何とも云いがたい痺れるような感覚が脳裏を埋め尽くしていく。中也は、身悶える敦に口付けをした。
「んむっ」
身体が恐ろしいほど急速に熱を持つ。突然の事に抵抗するすべもなく、敦はその場に硬直した。
欲情を貪るように口の中を舌が這う。
「はぁ……っう、あ、中也さんっ」
意固地になって突っぱねるが、身体に力が入らない。今まで何の衝撃も与えられていなかった身体が、びくびくと震える。
「大方、太宰の木偶に変な薬盛られたんだろ?」
「っ……!」
「はん、当たりだな、その顔」
「だったら、何だって……いうンですか?」
「俺が相手してやるよ」
ピタリ、と時が止まったような空気感。鈍感な敦は、ここでようやく自分のみに迫っている危険を察知した。
「あ、相手って」
「うん?言って欲しいのか」
「否、色々と違っ……あっ」
中也の手が、敦のシャツを捲った。少し汗ばんだ白い柔肌が躊躇なく露出される。その肌に舌を這わせる中也。
ダイレクトに来る刺激に、敦は身を震わせた。
「ひぁっ……厭、ちょっ……無理ですってッッあッ」
「無理とか言いつつ、随分元気だなァ」
「ッ!!!」
羞恥で顔を真っ赤にし黙った敦を、愉快そうに眺め、中也は敦のズボンの隙間にするりと手を突っ込んだ。
「ぁうッ」
「ま、安心しな。痛くはしねぇから」
「へ……?あ、やッ中也さん、やめッッは、んっ!!」
「折角なんだから、楽しめよ、敦」