文学者達ノ恋模様
□虎は月下に身を焦がす×2
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奥の奥まで容赦なく突き上げる敦。太宰の喉が反り返り、色っぽい首筋が浮き出る。敦はそっとそこに口付け、視線を前に戻す。するとそこには、等身大の姿見が。
彼が卑猥な悪戯を思い付いたのは、言うまでもない。
「太宰さん」
「ふぇ…?」
「前、見て」
「?………っ!!!!」
敦のモノをくわえこんだ己の姿。乱れた服装。カッと体が火照る。羞恥心により、体温が一気に上がった。今まで以上に顔を真っ赤にし、うつむいた太宰。
「かわいー。恥ずかしいんですか?」
「やっ…」
耳元で囁かれ、太宰はますます赤くなる。
「さて…一回イっときましょうか」
「え?あ、まって、まだ、や、ぁあああああっつあああっや、い、イっちゃ、うって!!!」
隙間なくピストンを繰り返す敦。太宰は、込み上げてくる絶頂の予感に、なすすべもなく。
「すきですよ、太宰さん」
「いぁ、イっちゃ、ぁ、ぁぁあああっっっっっ!!!」
二人の残業は、明け方まで続いた。
翌日
「…」
「だ、太宰さん?」
「…」
「怒ってます?」
「…別に」
「ご、ごめんなさい、あの、その…なんて言うか、興奮して」
「ふふっ」
必死になって弁解し始める敦の様子に、太宰は思わず笑い声をこぼした。
心配そうに見つめてくる敦に、笑いかけた。
「怒ってないし、よかったよ、敦君」
「え!ぁ、ありがとうございます??」
御礼にまでご疑問符をつけた敦を見て、太宰はもう一度小さく笑った。
艶やかに
鮮やかに
薊のように色づく花は
枯れる前に摘んでしまおう。
美しいままでいられるように。
本に挟んで栞にしよう。
共にずっといられるように。