文学者達ノ恋模様

□自殺か君か
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国木田の口に、太宰の唇が押し付けられた。突然のことに、思わず息を詰まらせた。

「っ……おい、太宰、なにす…ッ?!」

角度を変えて、今度は長めのキスが贈られる。 少しすると、太宰の舌が国木田の歯に当たった。彼のせんとすることを察した国木田は、ギリ、と歯をくいしばった。
 太宰は特に慌てる様子もなく、国木田の鼻を摘まんだ。

「?!」

それでもなんとか呼吸を止めて対応するが、永遠に止めていられる訳ではない。国木田はしばらくして、ぷはっと息を吐いた。
 すると、待ちかねたと言わんばかりに、鼻を摘まんでいた手を離し、舌を這わせ始めた太宰。わざとらしく音をならせ、国木田の鼓膜を刺激する。

「……は…ぁ…」

次第に、国木田の体から力が抜けていった。なんとか逃れようと、必死にもがいていた体が抵抗を止める。
 だが「その気」には、なっていないのか、声や表情に色っぽさは見受けられない。
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