文学者達ノ恋模様

□甘い、辛い、辛い
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甘美な嘘を
辛い思いを
永久を崩して得んものは……


「ん、ぁ、あッ……」
 簡素な部屋に、甘い声が響く。
「おだ、さ、く……ッ」
 織田作と呼ばれた青年は、腰の動きを緩やかにして、太宰に聞いた。
「つらい、か? 」
「ぅあ、ち、違っ、ちがう、から、止めない、でッッ」
 ここにまでその天然はいらない。ゆっくりされると、もどかしい。
 太宰は織田作の背中に手をまわし、下部から沸き上がってくる刺激に耐える。
「は、あ、も、イッ……!」
「ッ」
 織田作のソレを、締め付けてしまったのが、自分でも分かった。
 太宰が達するのとほぼ同時に、織田作も太宰のナカに熱を吐き出した。
 どちらかともなく唇を重ね、舌を絡ませ、貪り食らう。
 欲情した接吻に、再び体が火照り始める。
 嗚呼、この時間が無限に引き伸ばされて、永遠になれば良いのに。
「太宰……」
 もっと、呼んでくれ
 もっと……


時間は永遠で無はかった。
甘美なる餌は朽ち果てて
ただ苦い思い出に変わっただけだった


「ねえ、織田作。どうか……」

甘い思いは心のなかに閉じ込めて。
美しく辛い、記憶にして……
 

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