突発的短編

□ゲーセン行こうぜ
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「げぇむせんたー?」
頭にはてなマークを浮かべ聞き慣れぬ言葉を発したシャチに聞き返した。
「そ、ゲームセンター、略してゲーセン」
「何それ」
「し、知らねぇのか!?」
さも常識かのごとくそう言った彼に正直ピキッときたがまあいい。そんなもの、本でも見たことはない。「ゲーム」とつくのだから、チェスやダーツ、ビリヤードでも集まってあるところなのだろう。
「箱入りのレティは知らないかもな。ま、さっき貰った優待券やるから船長と行ってきたらどうだ?」
さも自分は物知りかのようのにチケットを渡してきたのだ。正直むかつく。しかし、ローさんと出かけられる口実ができたのはありがたい。
「ありがとう、貰っておくね」
その足で、船長室へ向かうと「げぇむせんたー?」と彼も同じ反応を示したのだから笑える。
そんな訳で、久方ぶりのデートになったのだった。


「これが、ゲームセンター……」
初めて見るそこはガヤガヤとしていて、見たこともないゲームがたくさんあった。
「優待券によるとクレーンゲーム5回分とプリクラとかいうやつが1回無料らしいな」
「へー、よく分からないですけど通常1回100ベリーらしいですね。ローさん、どの台にしますか?」
あちこちにある台には、それはもういろんな景品があった。ぬいぐるみ、お菓子、電伝虫にエターナルポースまであるから驚きだ。
見て回っているとローさんがとある台に目が釘付けなのを見つけた。近づいて見ればそこには小さな白くまのぬいぐるみが。まるで、ベポのようにぷっくりとしたお腹をしていた。
かわいいと思ったし、何よりローさんが物欲しそうに見ていたから、取りたいと思った。
「これにしましょうよ!すみませーん!」
店員を呼んで5回分入れてもらう。さあ、白くまぬいぐるみちゃんを手に入れましょう!ローさんすごいわくわくしてるし。
1回目
「あ、行きすぎた……」
2回目
「引っかかったんだが……」
3回目
「ローさんもっと右!」
「いや、これでいいんだ!」
「あ……」
4回目
「くそ、何で取れねぇ」
5回目
「”ROO……」
「ストーップ!」
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