突発的短編

□自分の船でやれ
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パンクハザードからドレスローザへ向かう途中らへん




「にしてもお前、よくあんな島まで追っかけてきたよな」
マストにいたルフィが首だけ伸ばして芝生にいたレティに問いかけた。”あんな島”とは炎と氷に覆われた島、パンクハザードだ。数ヶ月、ローさんを信じてゾウで待ってたものの、なんとも言えぬ不安に駆られあそこまで追っかけをした。
そして、白猟のスモーカーと協力し、シーザーを人質としたのだ。当の人質はすぐ目の前でぐーすか寝ている。
「ねぇ、ロー。ドフラミンゴに楯突いて、本当に良かったのかな」
つい、不安が出る。
「安心しろ、お前だけは守る」
そう言ってローはレティの肩を抱きしめてきた。隣からするローの香りになんとも言えぬ安心感がある。
「ったく人の船でイチャイチャしやがって……。レティちゅわん!おにぎり作ったよ〜♡」
この船のコック、サンジはそう言ってクルクルと回りながらレティの前にやってきて膝をついた。どこの執事だ。
「おっ!飯だぁ‼」
「なんと、食事の時間でござったか‼」
「酒……」
「サンジく〜ん、喉乾いちゃった〜」
わらわらと芝生に集まり、いただきますをすればすぐさまおにぎりの取り合いになった。
負けじと私も取るのだが、どうも先程から梅干しの割合が多い。皆の会話からして9対1くらいだろうか。
そして、隣で動かないローを見て、すぐに気付いた。
「ロー、こっち食べる?」
そう言って鮭のおにぎりを押し付けて梅干しの方をローの手からパクリと食べた。
「うん、美味しい。流石サンジね」
「レティ」
「ん?」
振り返ると耳元で「ありがとな」と言われ、くすぐったくなる。そして、なんともベタな展開なのだが人差し指で頬についた米粒を取ってそのまま口に放り込んだのだ。
「あ、付いてた?ありがと」
「鈍感だな、気付けよ。それとも俺に取って欲しかったのか?」
「もう、そんなんじゃないって!あ、ローも付いてる」
仕返しに指で取ってペロッと食べる。
そして、ようやく周りの手が止まり(ルフィ意外の)こちらに視線が集まっている事に気付いた。
「あれ?どうしたの?」
「ん?どうした。気にしないで続けろ」
ローの一声で皆我に帰る。いったい何だったのだろう。
そして、皆は声を揃えて言った。
「自分の船でやれ‼‼‼このバカップルがっ‼」
 

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