それでも私は2

□世界に挑む彼
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そして、オークションは始まった。
音楽家の男、人間十人、女性…。あらゆる人々が絶望の色を顔に表しステージに出てくる。
『助けて…』
『もう、嫌…』
『やめてくれ、俺は家に家族が…』
聞こえてくる彼らの心の叫び。見ていて胸が締め付けられる。
『これは買うしかっ‼』
『うーん、弱そうな奴だ』
『くそっ‼競り落としたかった』
金持ち共の心の声。醜く吐き気がしてくる。
「さァさァ盛り上がって参りました‼続いても”買いの一品”エントリーNO.15は絶世の美女奴隷♡ご覧ください‼この奇跡のプロポーション。二十歳の”踊り子”パシアです‼」
出てきたのは私と大して変わらない歳の女性。数ヶ月前に出会った元奴隷の少女ミーシャを思い出した。
「頭……”麦わらの一味”……」
そして微かに聞こえてきた声。何て事だ。ルフィ達も来ているって事でしょう⁉
何としてもバレる訳にはいかない。
万が一バレたらどんな顔をされるだろうか。
…何回それを考えたのだろうか。分かりきってる事なのに。
とにかく、気配を殺そう。
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