それでも私は2

□その男怠け者
1ページ/7ページ

「ん?お嬢さん、海兵じゃないね〜」
いかにもめんどくさそうにしている彼は、おそらくガープ中将に用があるのだろう。辺りをキョロキョロしている。一方コビー君達は突然の大将の登場にかなりおどおどしていた。
「ええ、まあ。…はじめまして。ガープ中将なら先ほど出て行かれましたよ」
大将達には私の事は伝わっている。ここでコビー君とヘルメッポ君にバラされるのは困るので何とか取り繕う。
「ああ、そうなの。ありがとね。ええ〜っと…」
「レイティシアです。レティと呼んてください、クザン大将」
「ん?あぁ、そうか。君が………、えーと…、アレだ…。何だ…、……忘れた。もういいや」
「…そう、アレです」
うん、何か大丈夫そう。でも海軍はこれで大丈夫かしら…。まあ、三大将って皆ちょっとズレてるしそんなもんか(会ったことない)
何気無く酷いこと考えてる。
「あぁ、まあいいや。大した事じゃないし。…それで、お前ら、あぁ……、アレだろ。ガープ中将のアレ」
「ご指導いただいてますっ‼」
敬礼とともに答えるコビー君。真面目なんだね。
「帰ってくるまで見てやるよ」
おっと、まさか大将に稽古を見て貰える事になるとは…。これはありがたい。


「”剃”‼」
「っ⁉」
勝負は一瞬だった。
一度彼が距離を取ったかと思った瞬間に彼が目の前にいて頭から一発食らったのだ。
「…な、何?はぁ…今の…」
息が上がりながらも尋ねる。気になって仕方が無い。
「まだ僕はマスターできてないんですけど、人体を武器のようにする六式と言う体術です。指銃・鉄塊・紙絵・剃・月歩・嵐脚の六種類があるんですよ」
「へぇ〜。知らなかったわ」
海って広いね。知らなかったよ。そんな代物。
「私もできるかな?」
「特訓すりゃできるようになる。まぁ、相当キツイがな」
脅しをかけるように言うクザン大将。
「ドンと来いですよ。やります、教えてくださいっ‼」
「まぁ、いいぞ。…とは言え俺も忙しいんでなぁ…」
寝転がりながら言うなよ。それ、マジ暇人の格好だよ。
「まあ、見てやるよ。今度な」
そう言ってレティの頭にポンッと大きな手を乗せて彼は出て行った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ