それでも私は2

□弟子入りしよう
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「レイティシア、心配したえ。怪我は無いかえ?」
久しぶりに会った父親と母親はまるで変わってなかった。いつものように綺麗な女性の奴隷と元海賊の奴隷を連れて、軍艦から降りたレティーーレイティシアの前に現れた。
「お久しぶりです、お父様、お母様。ご心配おかけして本当にごめんなさい」
「いいんだいいんだ。無事に帰ってきたえ。それでいいんだえ。そうだあの海賊共に大将を向かわせよう。私のかわいいレイティシアを誘拐したんだえ。当然だえ」
まずい。帰った早々これですか。考えろ、ローさん達が無事にいられる方法を。何としても、絶対にローさん達に迷惑をかけてはいけないのだから。
「お父様、私は…し、下々民の生活を送ってみたかったのです。娯楽です、娯楽。彼らに非はありません。お願いです、そんな事はやめて」
顔を歪ませて笑う。心にもないことを笑って言う。それだけが、できること。
「ならレイティシア、もう海賊など野蛮な奴らには関わらないと約束するアマス。ただでさえ貴女は他の家から色々と言われてるアマス。なのにこんな事が起こって…。だから、ね?約束するアマス」
「…はい、お母様。約束します。もう、関わりません」
もう会うことも本当に無いだろう。それでもいい。皆が無事でいられるなら。
どうしてこんなにも空はどんよりしているのだろうか。
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