お題文
□教授
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(―――教授side)
ナギニに咬まれたのとほぼ同時に、隠し持っていた解毒剤を足に突き刺した。
毒のせいで痺れているのか、痛みはない。静かに視界がブラックアウトして、意識が暗闇に沈んでいく―――…
気がつけば、そこはスピナーズエンドの我が家だった。
暗く陰湿な雰囲気が漂っていた家の中は、隅々まで丁寧に磨かれ、拭き上げられ、開け放たれた窓から心地よい風が入ってくる――まるで違う場所になっていた。
(これは…夢か?)
ふいにキッチンから物音がすることに気がつく。
近づいてみると、それは料理をしている音だと分かった。そして――よぉく知っている、調子外れな鼻歌。
「…なぜお前がここに?」
そこでぐにゃり、と視界が歪み、足元が崩れ落ちた。何が起こっているのか分からないまま、落ちる!と身構えた時だった―――
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