お題文

□教授
1ページ/4ページ

(―――教授side)

例えば闇の帝王に呼び出された後の酷く疲れた夜や、ポッターたちに姿を見られずに接触しなければならない難題を解決した夜、そういう時に校長室に戻ると、決まってあやつが先にいるのだった。


「何故貴様がここにいるのだ」
「あー…ある人に呼ばれて、です」

言ってへらりと笑うその奥で、ダンブルドアの肖像画がわざとらしく明後日を向く。ギロリ、と睨むが何処吹く風のダンブルドアに向けて、大きく舌打ちをした。
それを自分に向けられたものだと思ったのだろう――ビクリと肩を震わせ、こちらを窺うような視線を向けてくるのが、ますます癪に触る。

(一体なんのつもりなのだ…こやつを呼び寄せたというダンブルドアも、のこのこ現れるこやつも、すべてがわずらわしい!)

なにが引き金になり、どんなことが起こるか分からない…そんな状況で校長室に来るなど、自殺行為以外の何物でもない。
何度そう言い聞かせても、懲りずにここにやってくる馬鹿者など放っておけばいい――がしかし、関わるのを許したのは他でもない我輩であるからして、それも出来ない。



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ