お題文

□教授
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(――教授Side)

あれが卒業してから3ヶ月。休みの前日に仕事が終わったら研究室に来る、と連絡があったのが一昨日のこと。
約束通り夜の8時を過ぎた頃、ガラリと無遠慮に扉が開けられた。

「教授ー!ただいま帰りましたー!」
「ここはお前のうちではないぞ」
「まあまあ堅いことは言いっこなしですよう…って、うわああ、なんかもう懐かしいー!何も変わってなーい!」

そう言って、ぐるりと部屋を見渡してからソファーに腰を降ろす。まだ仕切りにキョロキョロしている頭を近くの本で小突いくと、涙目で「痛い」と睨んできた。

「大人しくしていたまえ。大体まだ3ヶ月しか経っていないのだ、変わるわけがなかろう」
「ふふ、そうですよね。なんか1年くらい経った気がしますけど」
「仕事に慣れるまではそういうものだ。…夕飯は?食べてきたのか?」
「あー、いや、そんなお腹空いていないんで大丈夫です」
「……では紅茶を淹れてやろう。ストレートかね?」
「あ、今日はミルクティにしてほしいです。ミルク多めで!」
「良かろう、少し待ってなさい」
「はぁーい」



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