お題文

□なにこれ泣きたい
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「…ぃ…先輩、…もうっ、先輩ってば!」
「…っ!あぁ、すまない。なんだ?」
「どうしたんです?ぼーっとして。明日の授業の準備出来ましたよ」
「うん。あれはどうなった?頼んでおいた――」
「資料ならまとめて机の上に。ざっと目を通して、使えそうなところピックアップしておきました。付箋をつけてありますから」
「………」
「なんです?鳩が豆鉄砲くらったような顔をして。本当に休んだ方がいいですよ、片付けならわたしがやっておきますから」
「あ…あぁ、」

鼻歌混じりで(相変わらず音程は外れている)、スネイプが調合していた鍋を片付け始めた助手に、首を傾げる。

 何かがおかしい。

そうは思えど、疲れているのか、うまく頭が回らない。助手が片付けるのをぼけっと見ていると、ふとこちらを振り向いた彼女が、小さく息を吐いて――

「もう、ちゃんと休んでくださいって言ってのるのに」

眉尻を下げ、困ったように笑う。
その瞬間、スネイプは心臓がドクリ、と跳ねるのを感じた。

(な…これは違う、決してこいつなんかにドキドキなどしていない!)



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