お題文

□しばらく放っといてくれ(疲労困憊だ)
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「えええー、なんでこんなんになっちゃうのー?」
「おい、うるさいぞ!」
「ちょっと先輩も見てくださいよ、これ!」
「……これはひどいな」
「ですよねぇ」

なにを間違えたのかなぁ、とのんきに首を傾げる彼女がかき混ぜている大鍋の中身は、おどろおどろしい色のプルン、としたゼリー状の物体。
本来であれば、薄いミントブルーの液体になるはずなので、ほとんど真逆と言える今の状態は、誰が見ても失敗作である。

「かき混ぜ過ぎたのかな…それとも、薬草をもっと細かく刻んだ方が良かったのかな」とブツブツ言いながら鍋をかき混ぜている女子生徒の横では、スネイプが傷薬を調合している。
どんな傷でもたちまち治してしまう万能薬なのだが、塗ると死ぬほどしみると不評なので、現在改良中なのである――と言っても使うのは隣の女子生徒くらいなものなので、スネイプはもっとしみてもいいくらいだ、と思っているのだが――持ち前の探求心で、3週間ちまちまと研究を続けていた。

「よし、いいだろう」
「おっ、ついに完成ですね!」
「さっそく試してみよう。おい、ちょっと――」
「絶対イ・ヤ・で・す!!この前先輩が大丈夫って言うから塗ったのに、超絶しみて本当に腕が取れるかと思ったんですからね!!」



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