お題文

□共同するということ
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教授が今研究している新種の魔法薬が結構厄介な代物で、1週間連続で1時間毎に3回半の撹拌とデータの記録がいるらしい。当然教授一人では無理なので、2人で交代しながら行うことになったのだが…。


「ふあぁ〜、ん…あと15分したらまた撹拌しなきゃ。魔法薬学って楽しいけどぶっちゃけ面倒なことも多いんだよね…。でもま、漢方だって乾燥させてすりつぶして、とか汁を絞って何度も濾してとかってするもんね、薬を作るのって大変なんだよなぁ」
「なにをぶつぶつと言っているのだ?」
「教授!あー、いや、ちょっと独り言を…」
「ふん、よもや寝言じゃあるまいな?」
「大丈夫ですよ、ちゃんと起きてました!それよりどうしたんです?まだ交代の時間じゃないですよね。お休みになられてたんじゃないんですか?」
「あぁ、ふと目が覚めてな。様子を見に来た」
「そうだったんですね。大丈夫ですよ、鍋の中で順調に濃い山吹色になってきてます。あと2日で完成予定ですけど、ぴったしじゃないですかね」
「うむ…確かに」
「だから安心してお休みになって下さい。朝食の用意が出来たら起こしに行きますから」
「分かった。では頼んだぞ」
「はーい、おやすみなさい」
「あぁ、あとテーブルの上に紅茶がある。冷めないうちに飲みなさい」
「わぁ、ありがとうございます!」



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