お題文

□慣れるということ
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教授の取り組んでいる研究の中に、脱狼薬の効果と継続時間を上げるというテーマがある。
あの戦いで人狼になってしまった人は少なからずいて、なんとか結果を出そうとしてはいるのだが、もともと作るのが難しい魔法薬なうえ材料も高価で、易々とはいかなかった。
リーマスは快く実験に協力してくれていて、今日もその為に家に来ていた。せっかくなので夕食を一緒に、という席でのこと。


「わあ、美味しそうだね!」
「ふふ、ありがとう。ワインは?なんか開けようか?」
「いや、ワインはいいや。あとでホットチョコレートをちょうだい」
「うん、わかった。教授もどうぞ、座ってください。今日は白身魚のムニエルと焼きキャベツのマリネ、アスパラの白和え、ひじきの煮物、味噌汁はじゃがいも・かぼちゃ・玉ねぎの甘い味噌汁にしました」
「うむ、いただこう」
「あぁ、いただきます」
「はぁーい、どうぞ召し上がれ」
「……うむ」
「おいしい!相変わらず君は料理が上手だね」
「やだなぁ、おだててもなにも出ないよ!でも美味しいなら良かった。いっぱい食べてね」
「……む」
「あぁはい教授、お醤油ですね」
「ん」
「美味しいですか?」
「うむ、うまい」
「ふふ、良かった。あ、お茶淹れますね、はい」
「ん」
「………(これってまるで…)」
「…?リーマス?どうしたの?ぽかんとして」
「あ、あぁ、いや、うん、大丈夫。君たちは本当に仲がいいなぁと思ってね」
「えへへ、ありがとう」
「ふん」



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