夫婦設定

□教授とクリスマスツリーを飾る話
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ハロウィンが終わると、リビングの隅にクリスマスツリーを飾るのが、ここ数年のスネイプ家の恒例になっている。
そして今年も例に漏れず、180センチの高さのモミの木を飾り付ける、スネイプ夫人の姿があった。(スネイプはこたつからその姿を眺めている)

「ふんふ〜ん」
「………(相変わらず調子外れな鼻歌だな)」
「よし!次はジンジャークッキーを飾って…」
「ふむ、去年よりは上手く作れていますな」
「今年はダイアゴン横丁で買った“手作りクッキーセット”を使いましたからね!分量も量らなくていいし、失敗なしって書いてありました」
「……あー、そうか」

(失敗…ではないが、相変わらず石より固いクッキーだ…)

飾り付け用と別に皿に盛られたクッキーを一つ口に運ぶが、サクッ!でもボリッ!でもなく、ゴリンッ!という咀嚼音がする。(スネイプは妻が作ったクッキーを食べるときは、顎が鍛えられる、と前向きに考えることにしている)。
彼女が上手くクッキーを作れたことは結婚してから――いや、彼女と知り合ってから今まで、ただの一度もない。
しかし、それすらも愛おしいと思ってしまう自分に、スネイプは少しだけ自嘲気味に笑った。



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