本当のマジを知ってるか?

□第4章 休息
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『はー、気持ちぃ〜』

俺は、浮き輪にはまってプールに浮いていた。

最近、あまりにも熱くなってきて耐えられなくなった俺は、マジ女のプールを掃除して水を貯めたのだ。

『あぁ〜……一生こうしてたい…』

ヲタ 「……だらけきってるな」

ウナギ 「でも、確かに暑いもんなぁ〜」

『あぁ〜……』

ムクチ 「…雪哉は、もう駄目かも知れない」

バンジー 「ありゃちょっとした廃人だな」

『うぅ〜……』

アキチャ 「雪哉〜生きてるかー?」

『あぁ〜……』

アキチャ 「駄目だこりゃ」

プールサイドでは、チームホルモンが七輪でホルモンを焼いて食っていた。

このくそ暑い中、良くやるぜ。

優子 「雪哉〜〜!!!!」

ん?

声が聞こえて目を開けると、俺の真上に大の字でジャンプしてきた優子さんがいた。

優子 「くらえ!!」

『ぐはっ!』

優子さんは容赦なく俺の腹に着地してきた。

プールの中に沈められた俺は、必死に立ち上がった。

『ゆ、優子さん!さすがに無茶しすぎです!』

俺は水が入って痛くなった鼻を押さえながらそう言う。

優子 「はっはっは!随分とダラけてんなー」

優子さんはおっさんの様に腰に手を当てて豪快に笑った。

あー…水着っすか……。

『………』

優子 「ん?どうした?」

『いや…何でもないですよ』

別に、水着に見とれてたりなんてないっすよ。

優子 「あー!お前…私の体見てなんか想像してたんだろ〜?」

『な、違いますって』

そう言って俺はプールを上がる。

優子 「おーい、泳ごうぜー?」

『泳ぎませんって、疲れるでしょ』

俺はタオルで髪を拭きながらそう言う。

最近、本当に暇なんだよな。

あれから半年…。

ソルトさん達とは1度も会っていない。

ただ、連絡は何度かとっている。

あの後、ソルトさん達はプリズンの本拠地を襲撃し、壊滅させたらしい。

それから全員で、日本中を回っているようだ。

この前連絡が来たのは、半月位前だったかな?

大分にいると言っていた。

凄く充実していて、楽しいって。

あー、また会いてえな。

にしても……んー…暑い。

なんでこんなにも暑いんだ。

『あぁー、プールから出ると溶けそう〜』

ヲタ 「どんだけ暑がりだよ」

『いやいや、暑がりじゃなくっても、今日は溶ける』

アキチャ 「溶けるって、雪哉はナメクジかよ」

『あー…そうかもしれない』

バンジー 「そうなのかよ!」

『はは、とにかく、お前らも一緒にプールはいろーぜ!』

ヲタ 「嫌だっつーの、水着持ってきてねぇし…水着とか嫌だし……」

『別にいいじゃん、Tシャツで泳いじゃえば』

ヲタ 「あ、その手があったか」

『先行ってるぜー』

そう言って俺はもう一度プールに飛び込む。

ヲタ 「よし、泳ぐか」

ウナギ 「マジでTシャツで泳ぐ気か?」

ヲタ 「え?なんで?」

アキチャ 「……透けるよ?」

ヲタ 「……あ!!」

バンジー 「気付くのおせーよ!」

ヲタ 「…あっぶねぇ……」

ムクチ 「アホー」

ヲタ 「う、うるせぇ!」

ウナギ 「ま、しょうがねぇだろ」

ヲタ 「雪哉!また今度な!」

『えー、何でだよー』

ヲタ 「いいから!」

『じゃあ、俺はまた浮いてようかなー』

そう言って俺は、また浮き輪にはまり、放課後まで浮いていた。
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