48の行方 Third

□蛍光。
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朝一で東京の自宅を出た伊織は、高速に乗り一路群馬へと。


高速で約1時間半程の、月夜野というインターチェンジで降りた。


このまま数分車を走らせると、5階建ての病院が。


『やっと着いたか』


車を降りた伊織は、院内へと。


『おはようございます』


受付 「おはようございます」


『昨日入院した角田清子の孫なのですが、病室って何号室ですか?』


受付 「少々おまちくださいね」


そう言ってすぐに病室を調べてくれる。


受付 「角田さんは305号室ですね」


『ありがとうございます』


お礼を言って伊織は3階まで階段で。


院内図を見て305号室を発見し、スライド型の扉を開けて中へ。


ベットが6つあり、その中の4つは埋まっていた。


入って右側の1番窓際、そこに祖母が居た。


『ばあちゃん』


祖母 「ん? あんた……誰だい?」


『え……ばあちゃん…?』


祖母 「冗談さね。 伊織、久しぶりだね」


『っ、ばあちゃん……やめてくれ、心臓に悪い』


そう言って伊織は置いてあったパイプ椅子に座る。


『一体、何があって入院なんてしてるんだ?』


祖母 「見ての通りだよ」


そう言って祖母は自身の右手をふらふらと見せる。


『こ、骨折…?』


祖母 「そう、ポッキリとね」


『っ……焦ったぁ……じゃあ、病気とかじゃないんだね?』


祖母 「うん」


『手の骨が折れただけで、どこか具合悪いとかないんだね?』


祖母 「あぁ、そうだね」


『良かったぁ…骨折だって大事だけど、命に関わるようなことじゃなくて安心したよ』


祖母 「わざわざありがとうね。 それはそうと…あんた、仕事はどうしたんだい?」


『え?』


祖母 「こんな平日の朝っぱらから群馬まできて…まさかあんた、仕事休んできたんじゃないでしょうねぇ?」


『あ、いや、えっと……』


祖母 「さっさと帰って仕事してらっしゃい!!」


『は、はい!』





横山 「ほんで、帰ってきたん?」


『う、うん』


横山 「怖い人なん?w」


『普段はめっちゃ優しいし、怖くないんだけど……怒ると、多分だけど俺が泣く』


横山 「w」


小嶋 「帰ってあげないの?」


『行ってやりたいんですけど、怒られちゃいましたからねぇ』


小嶋 「土日に行けばいいんじゃない?」


横山 「え?」


小嶋 「仕事休んでくるなーって事は、土日ならおいでって事だよ」


『………なるほど、その手があったか』


横山 「たしかに。 まぁ、そもそも伊織の仕事って休みが曜日で決められてる訳ちゃうやろけどw」


『そこは誤魔化すわ。 週末行ってくる』


小嶋 「私も行くー」


『うぇ?』


小嶋 「丁度暇だったし〜、いいでしょ?」


『な、何も無いっすよ?』


小嶋 「別に、遊びに行くわけじゃないから何もなくて良いよw」


『エステとか、無いっすよ?』


小嶋 「伊織にとって陽菜どんなイメージなの?w」


『ふふw でも、本当に行くんですか?』


小嶋 「ダメかな?」


『んー…まぁ、こじはるさんがそれで良いなら』


小嶋 「やった〜」


横山 「こじはるさん、色々聞いてきてくださいね!」


小嶋 「任せて〜」


『目当てはそれか…?w』
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