48の行方
□大阪。
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午前10時。
渡辺美優紀自宅前。
路上に車を止めて、本人が出てくるのを待っている。
『んーと…始めは収録か……局までナビ入れなきゃ………』
大阪には、何回かしか来たことないから。
それに、その頃は免許とか持ってなかったし。
出歩かなかったしな。
俺がスマホで調べた住所をナビに入力していると、窓ガラスをノックされた。
美優紀 「伊織さん〜!おはようございます!」
『あっ、おはよう!今開けるね!』
閉めていた鍵を開けると、すぐに助手席に乗り込んできた。
美優紀 「今日から1カ月、よろしくお願いします」
『こちらこそ、よろしくお願いします』
ギアをパーキングからドライブに入れて、車を走らせる。
『この辺の道全然分からないからさ、ナビ通り行くけど大丈夫?』
美優紀 「はい!それでええですよ」
『どこか寄りたい所あったら言ってね』
美優紀 「スタバ!スタバ行きたい!」
『ん、了解』
それからスタバに寄り、テレビ曲に着いた。
『おはようございまーす』
美優紀 「おはよー!」
俺たちがNMBの楽屋に入ると、全員がこちらを見て返事をしてくる。
彩 「おはようございます。伊織さん、みるきーの事よろしくお願いしますね」
美優紀 「ちょっと、彩。私はよろしく頼まんでも、しっかりしてんで?」
分かりやすくムスッとした表情でそう言っている。
彩 「いや、まぁ、そうかもしれんけどもやな。えーと…あぁー、めんどくさい!」
美優紀 「んふふ♡」
彩 「まったく…w」
『ふふw』
美優紀 「あー、伊織さんいま笑ったやろぉ?」
『えぇ?』
美優紀 「酷いなぁ〜」
『ごめんごめん』
彩 「まぁええわ。とりあえず、よろしくお願いします」
『こちらこそ』
美優紀 「ほな、私らは収録行ってくるね?」
『了解。頑張ってね』
美優紀 「はーい」