48の行方
□歓迎会。
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朝の8時。
携帯から鳴り響く着信音で俺は起こされた。
『んんんー……』
あれ、この着信音……。
俺の携帯じゃなくて、仕事用の携帯だ。
この仕事を始めた時に、秋元先生から持たされていたのだ。
仕事の依頼を受けるのに使う携帯として。
中には、秋元先生や湯浅さんなど運営陣やスタッフさん、奈々ちゃん達AKB、SKE、NMB、HKTの全メンバーの連絡先が入っていた。
秋元先生からメンバーの皆に、相談したいならこの人にと、この電話番号を教えたようだ。
慌てて画面を見ると、高橋みなみと表示されていた。
『たかみなさん………何の用だろ…』
今までそこまで濃い絡みの無かったたかみなさんからの着信に少し驚くが、すぐに我に返って通話を押す。
『もしもし?』
(高橋 「あ、高橋みなみです!雪平さん、今大丈夫ですか?」)
『えぇ、大丈夫ですよ。どうかしましたか?』
(高橋 「実は、秋元先生に聞いたんですけど。今日って丸1日休みで、明日からは大阪なんですよね?」)
『はい、そうですね。明日の始発で大阪まで行くことになってます』
(高橋 「そうっすか!それでですね、もし良かったら、今晩時間空いてたりします?」)
『え?』
(高橋 「集まれるメンバーだけなんですけど、どこかお店で雪平さんの歓迎会を開きたいなーと思いまして」)
『え、そんな事やって貰えるんですか?』
(高橋 「近しいスタッフさんやマネージャーさんだと、自然に集まったりするんですよ」)
『へー、そうなんですね。分かりました。喜んで参加させて頂きますっ!』
(高橋 「良かった!じゃあ、時間と場所は後で連絡しますね!」)
『了解です』
電話を切り、起き上がる。
『歓迎会かぁー。嬉しいな』
まさか、そんな事して貰えると思わなかったな。