本当のマジを知ってるか?

□第2章 仲間
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雪哉side

つい先ほど、ブラックさんから連絡があった。

すぐにでも援軍に行きたいが…正直そんな余裕は無かった。

おたべ 「はぁ、はぁ、はぁ…」

ゲキカラ 「っ…ふふ…あはは」

ダース 「こいつら…どんどん沸いて出て来るぞ」

『さすがに、ちょっと疲れてきたー!』

そう言って俺は、周りにいる看守を蹴散らしていく。

ブラックさんからの連絡を受けてすぐ、α4のネズミに連絡を取り援軍に向かう様言ったのだが…向こうも相当キツいらしい。

こうなったら、なんとかブラックさん達に持ち堪えて貰うしか無かった。

ダース 「雪哉!こいつら、数が少なくなってきてないか?」

そう聞かれて周りを見ると、確かに、先ほどよりは少なくなってきている。

次々と援軍に出て来ていた看守達が、出て来なくなったのだ。

ダース 「このままいけば、突破出来る」

『よっしゃ。もう一回、気合い入れてくぞ』

そう言うと、ダースはゲキカラの側で戦い始める。

あいつ、意外と面倒見いいんだな。

万が一にもゲキカラが逸れたりしないようにって、ずっとゲキカラの側で戦い続けてくれている。

おたべ 「雪哉、ここ突破したら、次は地下や」

『そうだな。アホな看守がさっき、特別房は地下だって言ってたし』

周りも殆ど片付き、看守も残り数人となった時に、おたべが喋りかけてきた。

おたべ 「あ、せや、ここ終わったら、地下行く前に」

おたべが俺の方を向きそういった時に、すぐ横の部屋から出てきた看守が、おたべに向かって警棒を振り下ろす。

その事に気付いていないおたべを庇うように抱き寄せると、俺の頭部に衝撃が走った。

『っ…!』

更にもう一度警棒が頭部に振り下ろされる。

幸い、スタンガンを使っていないのか、意識を失うことは無かったが。

かなりの衝撃に、しゃがませたおたべに覆い被さるように倒れる。

ゲキカラ 「雪哉!!」

俺を警棒で殴り続けていた看守を、ゲキカラが倒す。

ゲキカラ 「お前だけは、許さない!」

そう言って看守をボコボコにする。

ダース 「ゲキカラ!今は雪哉のが先だ!」

そう言ってゲキカラを剥がし、ダースが俺を起こし、壁を背にして座らせる。

ゲキカラ 「雪哉、大丈夫!?」

『あ、あぁ…なんとか』

おたべ 「雪哉…ごめん、私が油断したからや…」

おたべは凄く悲しそうな表情で、そう言ってくる。

『おま、なんつー顔してんだよ』

おたべ 「自分の所為で…仲間が傷付くのがこんな辛いなんて…知らんかった」

『……へへへ』

おたべ 「な、何笑っとんの」

『だって…おたべが仲間って言ってくれたから嬉しくって』

おたべ 「アホな事言うなや……あの日から、あんたは私の仲間や」

『はは、良かった』

ダース 「とりあえず、一旦この部屋入って休もう」

『なに、これ位大丈夫だって』

そう言って俺は立ち上がるが、足に力が入らずよろけてしまう。

それを、おたべが支えてくれた。

おたべ 「あかん。休むで」

そう言って部屋の中に連れて行かれる。

そして、俺を椅子に座らせる。

おたべ 「小休止や」

ダース 「さすがに、私も疲れた…」

ゲキカラ 「でも、まだまだこれから」

『あぁ、ゲキカラの言う通り。まだまだだ』

もう、大分落ち着いたな。

息切れもしてないし…頭も…うん、平気。

少し頭を振って確認すると、目の前にボックスティッシュを持ったゲキカラがいた。

『ん、どうした?』

ゲキカラ 「雪哉、動かないで!」

そう言って頭を固定される。

そして、ティッシュで俺の血を拭いてくれた。

『ゲキカラ、ありがとな』

ゲキカラ 「痛くないの?」

『うん、もう大丈夫』

おたべ 「無理したら、あかんで」

『あぁ、分かってるよ』

それから俺たちは、10分程休憩を取り、再び進み始めた。

ダース 「ここから下に降りれる」

『よし、じゃあ行くか』

そう言って階段を降りようとすると、逆に階段を上がってくる足音がした。

おたべ 「そんな…多くなさそうやな…」

『…よし、俺が行ってくる』

おたべ 「ちょ、あかん…」

おたべが言い終わる前に、俺は階段を飛び降りた。

??? 「雪哉?」

『あれ、前田!お前達だったのか!』

前田 「とりあえず、その拳おろして?」

『あ、悪りぃ』

俺は振り上げた拳を下ろす。

おたべ 「なんや、前田達やったんか」

『あぁ』

おたべ 「どうしたんや?まだ救出出来てへんねんやろ?」

前田 「特別房の鍵を、取りに来た」

『下の看守共は?』

学ラン 「あぁ、数も50程度、余裕だったよ」

『さっすが』

おたべ 「鍵はどこにあるんや?」

前田 「看守室にあるはず。二階だよ。私たちは、そこに行く」

『じゃあ俺たちも』

前田 「いや、雪哉達はアンニン達の方に行ってやってくれ」

『え?』

前田 「ついさっき、アンニンから連絡があった」

『そっちにか?』

前田 「あぁ。メッシがカメラをハックして私達の動向を見てるらしい」

『あ、じゃあ俺がちょっとヤバかった時かな…それで、何の連絡だったんだ?』

前田 「ブラックさんが…やられたらしい」
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