本当のマジを知ってるか?

□第2章 仲間
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前田side

雪哉からの連絡がトランシーバーに来てから、暫く経った。

今私たちは、壁を背に座っていた。

学ラン 「そろそろ、何かしらのアクションがあるかな」

前田 「うん。日も完全に登ってる。雪哉達はもう乗り込んでるはず」

大歌舞伎 「特別房の場所は、分かってるの?」

前田 「あぁ。特別房は一般房のある建物の地下にある」

小歌舞伎 「じゃあ、その建物に入って下を目指せば…」

前田 「特別房のあるエリアだ」

学ラン 「意外と簡単そうだな」

前田 「でも、特別房の鍵を探さないと」

学ラン 「そっか…鍵のありかは検討付いてるのか?」

前田 「看守長が持ってるはずだ」

大歌舞伎 「じゃあ、さっさとその看守長とやらを探して鍵を入手しないとね」

前田 「あぁ。あいつは多分、看守長室にいるはず」

そこまで言うと、サイレンが聴こえた。

学ラン 「なんだ?」

前田 「…雪哉達だ」

私は立ち上がり、少し助走をつけてから走り、壁によじ登る。

すると、大勢の看守達が入り口の方に走っていくのを確認出来た。

学ラン 「どうだ?」

前田 「皆、入り口の方に行ってる。今がチャンス」

そう言うと、学ランと歌舞伎シスターズも壁によじ登って来た。

学ラン 「おぉおぉ、ぞろぞろと行くなぁ」

大歌舞伎 「向こうは大丈夫かなぁ」

前田 「あそこには優子さんもサドさんもいる。何も心配無いさ」

そう言って壁から飛び降りてプリズンの敷地内に入る。

学ラン 「敦子が入れられてたのは、どの建物なんだ?」

前田 「この目の前にある建物だよ」

大歌舞伎 「じゃあ、早速乗り込もうか」

小歌舞伎 「そうっすね」

私たちは、建物の裏手にある非常口からなかに入っていった。






ネズミside

つい今し方、サイレンとアナウンスが聴こえた…。

途中で前田達を追い抜いて、今あっし達が居るのは、プリズンの最奥の壁。

ここから登って、浸入するつもりだ。

センター 「行こう」

そう言ってセンターは、壁を登って敷地内に入っていってしまった。

まったく、センターには様子を見るとか出来ないのか。

ネズミ 「じゃあ、あっしらも行きましょうか」

シブヤ 「あぁ、そうだな」

ミユ 「うん、分かった」

あっしら3人も壁を越えて、プリズンの敷地内に入る。

ネズミ 「おやおや」

センター 「……」

シブヤ 「なんだよ、こいつら入り口の方に行ったんじゃなかったのか」

ミユ 「さすがに、最奥から行くのは時間がかかるみたいですね」

あっしらの10メートル程前には、10人程の看守が居た。

ネズミ 「でもまぁ、これで中間が手薄になってくれれば、万々歳っスけどねぇ」

看守 「な、こっちにも来たぞ!」

看守 「看守長に連絡だ!」

看守 「看守長!奴ら、プリズンの最奥にも現れました!しかも、ミユがいます!」

(看守長 「なにぃ!?」)

看守 「どうしますか!?」

(看守長 「何としてもミユは捉えなさい!そっちにも援軍をまわすわ!」)

看守 「了解!」

やり取りを終えて、無線を切る看守。

センター 「こっちにも来るらしいな」

シブヤ 「看守長とかいうのは、オネエか?」

ネズミ 「みたいっスねぇ」

看守 「ミユ!大人しく捕まれば痛い目に遭わなくて済むぞ!」

そう言って、ミユに対し警棒を向ける。

ミユ 「私は…逃げない」

看守 「こっちには援軍が向かってるんだ!勝ち目はない!」

センター 「だったらその援軍とやらを待つか?こっちは何人相手だって構わない」

そう言って戦闘態勢を取るセンター。

ミユ 「あの警棒には、スタンガンの機能が付いてる。下手したら、1発で意識を刈られるかもしれない」

ネズミ 「物騒っスねぇ」

シブヤ 「そんなの食らわなきゃいいだけだ」

センター 「…行くぞ」

そう言ってセンターは看守に向かって走り出す。

ネズミ 「はぁ、せっかち…でも、援軍が来る前にこいつらだけでも終わらせといたほうが、楽っスね」

ミユ 「うん」

シブヤ 「あぁ、行こう」

センターに続いて、看守達に向かって行った。

確かに、あの警棒は厄介だけど…間合いを計れば、避けるのは容易い。

看守は警棒を振り下ろしてくるが、それを避けて後ろに回り膝カックン。

よろけた相手の顔面に蹴りを入れれば……ネズミさんも、かなりやる方なんスよ?

周りを見ると、既に看守達は全滅していた。

センター 「四人…」

シブヤ 「お前は抜け駆けしたからなぁ。私は三人」

ミユ 「私は、二人」

そう言って三人ともあっしを見る。

ネズミ 「な、なんスか?」

センター 「ネズミの戦い方はまどろっこし過ぎる。もっと直接やった方が簡単だ」

ネズミ 「あっしにはあっしのやり方があるんスよ」

センター 「私の背中を預けるんだ。どんどんやって貰わないと困る」

ネズミ 「……分かったよ。あっしも、お遊び抜きで戦うさ」

それからあっしらは、看守達がやってくるのを待っていた。

2分程で、看守達が遠くから走ってきた。

数は…50前後っスかねぇ。

センター 「先に行く」

そう言うと、センターは走って行ってしまった。

まったく、背中を預けるなんて言っておきながら、真っ先に走ってくなんて。

こんなマブダチ持つと、苦労するっスよ。

少し先に行くセンターを追うようにして、あっしら3人も看守達の元へと走って行った。
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