本当のマジを知ってるか?

□第2章 仲間
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雪哉side

8人が一斉に走り出したが、久しぶりの本気の喧嘩にワクワクしてた俺は、猛ダッシュで先頭を走る。

優子 「あ、雪哉!ずりぃぞ!」

『お先に失礼します!』

そう言って、群がっている看守の先頭に飛び膝蹴りを入れ、周りにいる奴を殴り倒す。

『どうした!来いよ!』

看守 「くっ…行け!」

入り口付近に居た看守達、約50人程が戦闘態勢を取る。

優子 「ったく!1番ワクワクしてたの雪哉かよ!」

追い付いた優子さんが、俺の後ろにつき、周りの看守を倒していく。

『久しぶりだったんでね!つい!』

ゲキカラ 「あはははは!私もこのスパイス…久しぶり♪」

おたべ 「あまり飛ばし過ぎんとき。まだまだこれからなんやから」

サド 「優子さん達に言っても無駄だ。この人は、いつでも全力だから」

看守 「囲め!!」

1人の看守ぎそう言うと、俺たちの周りを一斉に囲む。

ダース 「あんたらに因縁あるのは私なんだ、2ダース3ダースじゃすまねぇよ!」

バンカー 「ダースだけじゃない、私だってここに居たんだ。お前ら全員ぶっ飛ばす!」

看守 「なんとしてもダースとバンカーは捕らえろ!」

『んな事、俺たちがさせねぇよ』

トリゴヤ 「全員の頭の中、見ちゃうよ♪」

その時、至る所に設置されていた赤色灯が回り、けたたましい音で警報が鳴り、アナウンスが流れる。

[緊急事態発生 緊急事態発生 プリズン内に浸入者あり 全看守は至急侵入者の確保へ向かえ 繰り返す プリズン内に浸入者あり 全看守は至急侵入者の確保へ向かえ]

周りを囲んでいた看守達が、殴りかかってくる。

『ははっ!そうこなくっちゃ!』

俺はそいつらに向かっていき、片っ端から蹴りを入れていく。

それを合図に、皆が看守に向かう。

おたべ 「ったく、雪哉突っ走りすぎやで!」

『お前らが遅いんだよ!』

おたべ 「そろそろ、あちらさんの援軍来るんとちゃうか」

『ここから、激しくなるな』

ダース 「雪哉、おかしい」

『何がだ?』

ダース 「こいつら…誰も武装してない」

周りにいつ奴らを殴りながら、会話を交わす。

『そういえばそうだな』

おたべ 「もしかしたら、急拵えの看守なんちゃう?」

『だとしたら…』

ダース 「あぁ…予想以上に数が多いはずだ」

『ったく、こんな雑魚揃えたって、戦力になる訳ねぇのに!』

優子 「雪哉!」

俺の元に、優子さんが走ってきた。

優子 「お前達は先に進め!」

『でも、こいつらまだまだ来ますよ!』

優子さんと、背中を合わせて戦う。

ちっちぇえ背中なのに、安心して任せられる。

優子 「いいから行けよ!私の獲物取るな!」

『ふっ…分かりましたよ』

そう言うと、優子さんは敵陣に突っ込む。

それを追うように、サドさんが優子さんの周りを片していく。

『おたべ!ゲキカラ!ダース!俺たちは先に進むぞ!』

ゲキカラ 「優子さん、大丈夫かな…?」

『優子さんの凄さは、俺よりもゲキカラのが知ってるだろ?』

ゲキカラ 「うん!そうだね!」

ダース 「あの人の凄さ、ちょっと見ただけの私でも分かったよ」

『はは、だろうな』

おたべ 「ほな、進もか」

『あぁ』

俺たち四人は、走ってプリズンの建物内に入る。







優子side

雪哉達を先に行かせて5分程で、周りにいたほとんどの雑魚看守を倒し終えた。

でも、さっきまたアナウンスされてたからな、そろそろ来るだろ。

優子 「サド!トリゴヤ!バンカー!こっからだぞ!もう一回、気合いれろ!」

バンカー 「はい!」

サド 「お前も、優子さんって大きな存在に引かれたか?」

バンカー 「…そうかもしれないです」

サド 「……これが終わったら、マジ女に来い」

バンカー 「え?」

サド 「マジ女に来れば、もっと優子さんの事が分かる」

バンカー 「…考えておきます」

トリゴヤ 「ねぇ優子さーん」

トリゴヤは、倒れて動かない看守達をぴょこぴょこと避け、私のところまで来た。

優子 「どうした?」

そう聞くとトリゴヤは、まだかすかに意識のある看守の頭に手を置く。

トリゴヤ 「………やっぱり」

優子 「ん?」

トリゴヤ 「こいつらのトラウマ、みーんな同じなの!」

サド 「どういう事だ?」

トリゴヤ 「誰かは分からないけどね、全員同じ人にトラウマを持ってる」

優子 「ふーん…でも、まぁ関係ないだろ」

バンカー 「名前とか分からないんですか?」

トリゴヤ 「ちょっと待って!」

そう言ってもう一度看守の頭に手を置く。

トリゴヤ 「えーっと…あ、分かったよ」

そう言ってトリゴヤはこっちを向く。

トリゴヤ 「名前はね…………」
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