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□間章3
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訝しげな視線を送る星颯を横目に、俺は外を気にしていた。
(翡翠…まだこねぇな)
結局、あの後キスだけして「じゃあ明日な、翡翠!」と言ってわかれた。
それから家の中でネットフル活用、男同士というものについてものすごい勢いで調べた。
(あー、アドレス聞いとけばよかった)
スマホを見ながらそんなことを考え、
(ていうか、傘借りたのに礼言い忘れてるじゃん!!)
と、重要なことに気付いたのである。
というわけで、現在の俺は血眼になって校門をくぐる人を観察している。
星颯が横で「藜がなんか変な人になってる」と呟いていたがそんなことはどうでもいい。
俺は元来変な人だからな。
そんなくだらない返答を考えていると、
「あ!」
「え!?」
星颯が驚くのも無視して俺は教室を飛び出した。
見知った人影が二人、校門をくぐったのだ。
そのまま玄関直行、目的の人物を探す。
(いたいた)
帳と話しながら靴を履き替える翡翠。
俺の恋人である。