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□3話
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「あれ。藜は?」
「んー、死んだんじゃない?」
「いやいや、それはないでしょ。ていうかひどいよ?」
帳と私と夕凪。
屋上での昼食風景、そこには珍しくメガネ野郎の姿はなかった。
「朝はいたよ。それ以降の消息は不明」
「いや、おまえ同じクラスだろ」
「そうだけど、いつも一緒ってわけでもないよ」
私の答えに、夕凪と帳はそろって驚いた顔をした。なんだその顔は。
「だいたい、藜はもう少し青春したほうがいいと思う」
「青春て?」
「んー、恋とか」
私が言うと、帳はみるみる顔を赤くした。
「こ、ここ恋って!!」
「星颯…おまえ、帳に返事したのか?」
「いや、保留」
「じゃあ、青春うんぬんは自分が彼氏つくってからにしとけ」
なぜか夕凪にたしなめられた。
「あ、あはは…」
帳が上ずった声で笑う。
「というか、そもそも藜っておまえ以外に女友達っていんの?」
「さあ?いないと思う」
「ひでえな…聞いた俺もだけどさ」
「だって、藜って女嫌いだし」