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□2話
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「…」

「どうした?」

黙り込んでいた私に話しかけてきたのは藜だ。

「いや、今日も兄弟のどっちかが迎えに来てるのかなって思ったら憂鬱で」

「ホントおまえの兄弟ってシスコンだよなぁ」

「ほんとね」

私がため息をつくと、藜は、はは、と笑った。

「いやぁ、千之浦家って謎だわ」

「ほんとそれな」

私が相槌を打ったとき、教室のドアが開かれる。

「えーっと、千之浦星颯さんっていますか?」

聞き覚えのない声が、私の名を呼んだ。
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