愛されピエロ

□特に何でもない日。
2ページ/5ページ


〜30分前〜


まぁ、その時点ではいつもどーりだったな。
フツーに2階でジュースとか酒とか飲んで喋ってた訳。(エバは1階でエルフマンとイチャついてた)
で、しばらくしてラクサスが俺に、

「お前のソレ、美味そうだな」

って言い出したのヨ。
俺はそん時、レモンジュース飲んでたんだけど。
つーか……今考えたら、あの時点でフリードにケンカ売ってたんだろーなぁ、ラクサス……。
まぁ、そん時の俺はそんな事気づかなかった訳で。

「コレ?珍しいナ、こんなんに興味持つなんて」
「そうでもねえよ。よこせ」
「ん、ドーゾ」

ラクサスの伸ばされた手にグラスを渡した時、フリードがすげー見てきたのは覚えてる。
訳わかんなかったから首傾げてたら、ラクサスがフツーに俺のジュース飲んだ。刺さってたストローで。
多分、きっかけはソレだな。

「ラクサス、それは間接キスじゃないのか」
「は?」
「フリード?」

フリードがいきなりそう言って、俺はその意味を理解するのにちょっと時間がかかった。
そしたら、ラクサスはニヤッて笑って――

「別にいいだろ?こいつは俺のモンだ」
「ひぁっ!?」

いきなり肩を引き寄せられて、よろけた俺は気がついたら、ラクサスに受け止められてた。ひっくり返りそうになった椅子は足で支えてくれてた。

「あ…ありがとラクサス……」
「おう」

って、そもそもラクサスのせいなんだけどナ……。
とか思ってたら、フリードが、

「ラクサス、今のは聞き捨てならない。ビックスローは俺の物だ」
「フリード…?」
「何言ってんだ。俺のモンだっつの」
「いや、ラクサス…?何言っ……」
「ラクサス、聞いてくれ。俺だってお前に逆らうのは心苦しいんだ。だから早くビックスローを放せ。そして俺に渡してくれ」
「え、いや、あの……」
「誰がお前みたいな変態にやるか」
「変態は否定しておこう」

……で、冒頭に戻るって訳ヨ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ