愛されピエロ
□特に何でもない日。
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〜30分前〜
まぁ、その時点ではいつもどーりだったな。
フツーに2階でジュースとか酒とか飲んで喋ってた訳。(エバは1階でエルフマンとイチャついてた)
で、しばらくしてラクサスが俺に、
「お前のソレ、美味そうだな」
って言い出したのヨ。
俺はそん時、レモンジュース飲んでたんだけど。
つーか……今考えたら、あの時点でフリードにケンカ売ってたんだろーなぁ、ラクサス……。
まぁ、そん時の俺はそんな事気づかなかった訳で。
「コレ?珍しいナ、こんなんに興味持つなんて」
「そうでもねえよ。よこせ」
「ん、ドーゾ」
ラクサスの伸ばされた手にグラスを渡した時、フリードがすげー見てきたのは覚えてる。
訳わかんなかったから首傾げてたら、ラクサスがフツーに俺のジュース飲んだ。刺さってたストローで。
多分、きっかけはソレだな。
「ラクサス、それは間接キスじゃないのか」
「は?」
「フリード?」
フリードがいきなりそう言って、俺はその意味を理解するのにちょっと時間がかかった。
そしたら、ラクサスはニヤッて笑って――
「別にいいだろ?こいつは俺のモンだ」
「ひぁっ!?」
いきなり肩を引き寄せられて、よろけた俺は気がついたら、ラクサスに受け止められてた。ひっくり返りそうになった椅子は足で支えてくれてた。
「あ…ありがとラクサス……」
「おう」
って、そもそもラクサスのせいなんだけどナ……。
とか思ってたら、フリードが、
「ラクサス、今のは聞き捨てならない。ビックスローは俺の物だ」
「フリード…?」
「何言ってんだ。俺のモンだっつの」
「いや、ラクサス…?何言っ……」
「ラクサス、聞いてくれ。俺だってお前に逆らうのは心苦しいんだ。だから早くビックスローを放せ。そして俺に渡してくれ」
「え、いや、あの……」
「誰がお前みたいな変態にやるか」
「変態は否定しておこう」
……で、冒頭に戻るって訳ヨ。