ここが俺の帰る場所

□Prologue.
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ここは魔導士ギルド 妖精の尻尾。
皆が思い思いに喋ったり騒いだりしている、いつも通りの光景だ。
しかし、いつもよりは騒がしくない。
なぜなら――

「うんうん、そんで!?」
「そしたら、そん時フリードがヨォ」
「ビックスロー!いつまでその話をするんだ!ナツも、そんなに食いつくな!!」
「まぁ…楽しそうだし、いいんじゃないの?」
「よくない!」

ギルド一番の問題児であるナツが、ビックスローの話を熱心に聞いているからである。ちなみに、内容は『前回の仕事でのフリードの失敗話』だ。
今、このテーブルには雷神衆と、ナツ、ハッピー、ルーシィがいる。
グレイもガジルも仕事でケンカ相手がおらず、帰ろうとしていたナツに、ビックスローが話しかけたのがそもそもの発端だった。

「貴様、いいかげんにしないと術式に閉じ込めるぞ!」
「やれるもんならやってみなー」

ビックスローがべーっと舌を出すと、フリードが自分の前髪を払った。

「闇の文字(エクリテュール)……」
「嘘!?待った!悪かったって!タンマタンマ!!」
「ちょっ、フリード!それはまずいわよ!!」
「わかればいいんだ」
「冗談キツいって……」
「今のは目が本気だったわよ……」

剣を収めたフリードに、ほっと息をつくビックスローとエバーグリーン。
それを見ていたルーシィが言った。
 
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