ねこカフェ

□ごゆるりと
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猫は笹本に心を許しているようで
腹を見せてはゴロゴロ鳴いたり
ぴったりと寄り添う様に寝ている。
普段、野良猫しか目にしない
会田は近寄れば逃げるのが
猫と捉えているので
物珍しく猫に懐く笹本を見ている。

「もっと触れよ
そんな見るだけだったら
金が持ったねーよ?」

「ん?…じゃあ…」

笹本が呆れた口調でもの言うものだから
会田ははっと我に返り笹本の頭を撫でる。
猫ではなく自分が撫でられたと
目を丸くさせ驚く笹本。
次に目を頬を紅潮させつつ
眉間に皺よけ会田を睨みつける。

「なに俺を撫でてんだよ
撫でるのは猫だろ?」

「いや…猫に懐かれるネコも可愛いなと」

ダジャレのつもりではないが
そう聞こえたのか笹本は苦笑し
抱っこしていた猫で
会田にネコパンチをおみまいした。

「アンタ…見かけと違って
おっさんみたいだな」

「上司や接待連中に毒されてるのかも」

釣られて苦笑する会田に
笹本は声を出して笑い
会田の頬にキスをした。
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