ねこカフェ

□オーダー
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「ここは連れでも個別で遊ぶ。
同室で遊ぶ趣味の奴はいねぇよ?」

「え?そうなの?
それじゃあ、ここにいるよ」

笹本の言葉に会田はここでの
マナーなのかと思い空いてる
テーブル席のソファーに腰を下ろした。

「ここはワンドリンク制
猫が居るからアルコールは出せないけど
…あんたは何を飲む?」

テーブルに片尻乗せメニューを渡す笹本
会田は苦笑しつつメニューを受け取り
さっと目を通し笹本を見上げる。

「それじゃあカフェオレにするよ」

「ん、わかった」

メニューを受け取りカウンターへと
向かう笹本を見送るとため息吐き
抱いていた猫をテーブルに置き
喉を撫でてやる
猫はゴロゴロ鳴いて目を細めた。


心癒されるそんなひと時
一人の小柄な少年のぽさが残る青年が
会田の近くへと歩み寄ってきた。

「オニーサン。
僕と猫とであそぼー?」

「ん?あ…いいけど」

「やったぁ」

青年の腰には芦屋と書かれたネーム。
芦屋は満面の笑みで喜んでみせると
突然、会田の膝上に横座りをした。

「なっ!?」

目を丸くし驚く会田。
しかし、芦屋は気にすることなく
自分の膝上に猫を乗せ撫ではじめた。

「オニーサン。ここ初めてでしょ?」

「あ、…あぁ」

会田は驚きはしたが嫌とは感じなかった。
そう。会田は男色家であり
芦屋の様な可愛い感じの男には弱かったからだ。

「この猫は好奇心が大きくて
初めて来るお客さんに挨拶に来るんだよ」

「へぇ、そうなのか」

次第に芦屋に打ち解けはじめる会田。
芦屋からは元気いっぱいなオーラを感じる。
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