ねこカフェ

□入店
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―今まで重い感染症で入院した事があるか?
no

―同性と性行為をした事があるか?
yes

―性行為は避妊具を使用しているか?
yes

―最後に性行為したのはいつか?
1年以上前

―HIV感染の恐れがあるか?
no


「はぁ…終わった…
病院の問診表を書くより時間が掛かったな」
…あれ?社長?」

会田が全て記入をして顔を上げたならば
隣に居たと思っていた深月の姿はなく
青年だけが会田が書類を書き終えるのを
物静かに待っていた。

「深月様はお先に店内に入られました」

「あ…そうなんですか?はい、これ」

会田は髪を掻きながら書類を青年に渡す。
青年は書類を目に通してから
穏やかに微笑み「どうぞ」と
会田を店内に案内する。
緊張に店に足を踏み入れる会田。

確かに店内に猫の写真が飾られ
猫じゃらしなどのグッツが置かれていた。

それを見ては猫に触れると
胸に期待を持つ会田。
青年は立ち止まり
一人の男に声を掛ける。

「お客様の案内を頼みます」

「ん、わかった」

カジュアルな服装に身を包む男は
青年に声を掛けられると渋々近寄り
会田の前に立ち手を突き出した。

「ほら、荷物持ってやるよ」

「あ、はい」

青年と違い愛想のない男。
腰に付けてるネームに笹本と書いてある。
笹本は会田が鞄を預けようとする前に
鞄を掴み取って奥へと去ってしまう。

「あ…あの……」

「大丈夫ですよ笹本に付いて行って下さい。
…あ、私は本庄と申します以後お見知りおきを」

本庄と名乗った青年は微笑み
会田の腕を軽く押し
店の奥へと入るよう促した。
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