戦うリーマン

□-序章-
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「あら、結城くん大変だったのよ
1階の高田さんボヤ起こしちゃって…結城くんの部屋は焦げた程度なんだけど…」

大家さんの声がどんどん遠く聞こえる。
焦げた?放水で水浸し?…ん、待てよ何か大事な事を忘れている。

「おかゆ!」

俺は鞄とコンビニの袋を地面に落とし、思わず叫んだ。
おかゆと聞いて大家さんは話を止め何事かと俺を心配そうに見ている。

「猫です!俺、猫飼ってて名前がおかゆなんです!」

俺は両手を広げブンブン上下に動かし大家さんに説明する。
半年前に一人暮らしの寂しさから飼い始めた猫…俺はなんて残酷な事をしたのだと心から懺悔する。
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