ゆるりゆらゆら。
□おっさんとゆる
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最初は貞操の危機かもと警戒したものだが押し倒したりせず、一定の距離を保つおっさんに次第に安心している。…いや、そういうのに興味ある青少年としては物足りなさを感じないわけでもないが、おっさんとはそういう関係になりそうでならないと変な気持ちが先に出ているのだった。
「ゆるの髪は柔らかくて気持ちいいな…シロツメ草みたい」
「そんな表現されてもわかんねー」
どうやらおっさんから見ると俺はゆるふわキャラらしい。俺は同年代の女子より身長も高くガタイの良いおっさんに比べて劣っているもの体は引き締まっていると思うのだが…。
テーブルに置かれていたジュースを飲んでは、おっさんに寄りかかる。俺からすると今のおっさんはフィット感の良い座椅子でしかない。
(過剰なスキンシップに疲れる時があるけど)
案の定俺を抱きしめては擦り寄られやわやわと胸の辺りを愛撫するおっさんに肘で突きを入れては振り返り睨みつける。
「おっさん…。女の子の方が可愛いし、触り心地いいと思わないの?」
「…女の子はやだ。怖い」
(やだとか、むさいおっさんが言う言葉じねぇ)
若干、女性恐怖症の気があるおっさん。しかし、俺は知っている。おっさんには結婚歴があったということを…。