ねこカフェ

□ごゆるりと
1ページ/2ページ

確かによくよく見れば猫と戯れる人たちは
殆どが男性で2人1組
ゲイ専門のホストクラブな
猫カフェ版といった風なのだろうと
会田も理解した様子

「じゃあ、店員は皆ネコなの?」

会田は、ふっと微笑み笹本の腰に手を回す。
だが、笹本は笑顔で笹本の手の甲を抓って払う。

「ああ、中にはリバも居るけどタチはいないよ」

手を引っ込めり甲をさすながら
そう言えば個室に行ってしまったという
深月の事を思い出す会田
薄々感じていたが深月もまたゲイなのかと考える。

「VIPルーム。イコール、ヤリ部屋?」

「大概な。希に本当に猫と戯れる奇特な奴が居るけど」

だから、あの時「そういう趣味の奴はいない」と
笹本が顔をしかめたのかと会田は苦笑する。

「君は…VIPルームに行くの?」

笹本は気は強いが素直だし顔もいい
ツンデレ好きな客にとったら
上玉な子だ放って置かないだろうと
会田は率直に質問する。

「行かねぇよ。
いくら金積まれてもゲス顔の奴や
好みの顔の奴でも…
変な病気もらいたくないからね」

ふんっと突っぱねた顔をして
答える笹本に会田は首を傾げる。

「書面にチェックしてるじゃないか」

「自己申告の紙切れが信用出来るわけない」

なるほど、笹本は尻軽でもないらしいと
会田はクスリと笑う。

「そりゃそうだ」

「さっきの奴がいいなら呼ぶけど?
あいつは誘えば断らねぇよ
あんたも満更じゃない様子だったし」

「いや、俺は君と話したいな
猫と遊びながらね」

先程から笹本の周りには
猫がよく寄ってきては構ってやる笹本
動物に好かれる奴は良い人
だなんて思いつつも会田は
笹本に興味を示していた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ