ねこカフェ

□オーダー
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店の奥に入ると
大きなホールに人と猫が戯れており
会田の目が輝き出した。
三毛猫からキジトラ、アメショ
ペルシャ…様々な猫たち。
猫は人懐っこいらしく
入店してきた会田の足の下に
近寄っては擦り寄ってきた。

「ほら、構ってやりなよ」

先に来ていた笹本が
鞄をロッカーに入れると
近づく猫を抱き会田の下へ来た。

「えっと…俺、猫カフェ初めてで、
勝手とかよく知らなくて」

「ふーん。
大声を出さない
食事中の猫には触らない
猫を無理やり抱っこしない
食べ物の持ち込みはしない
猫を追い掛け回さない
寝ている猫を無理に起こさない
フラッシュ撮影はしない
引っかかれたり
咬まれたりした時は自己責任」

口が悪いが的確に答える笹本に
会田は意外だと思い目を丸くする。

「あ、ありがとう勉強になったよ」

「…ふん」

心なしか笹本の頬が紅潮したが
店内の薄暗いライトのせいで
笹本は気づく事無く
足元に擦り寄る猫を
1匹抱き上げ優しく撫でた。

「ところで、社長…深月社長は?」

「深月のおっさんなら
早々と個室に入ったよ」

「個室?」

個室と聞き猫カフェにも
そんな部屋が用意されているのかと
首をかしげる会田。
そんな会田を見て笹本が
きな臭い顔をしながら
抱いてる猫を下へと下ろす。

「ああ、VIPルーム。
あんた…もしかして行くつもり?」

「…一応連れだから…」

笹本の態度に少し身を竦める会田。
襟元を掻きながら笹本は
眉を顰め口を開いた。
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