短 編 集
□俺様な猫
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カタカタカタ…。
モニターを見ながら仕事をする俺の横をもキジトラの猫が尻尾でモニターを隠す。
些細な悪戯。俺は構わずタイピングを続ける。
カタカタカタ…。
―ダン!
柔らかい肉球でキーボードを叩く猫。おかげで打っていた文字が滅茶苦茶になった。
「こら!クロ仕事の邪魔をするなら部屋から出すぞ」
「……」
怒る俺にツンと澄ましたクロ、俺はクロを抱きリビングへ向かおうとしたその時だ。
クロの体が変化し始め大きくなれば抱く俺も必死で落とさぬ様にベッドに転がり込んだ。クロの毛がツルツルになって見る見る人の形に変化する。
そう、こいつは半獣で猫にも人にもなれる生き物だ。今のご時世そんなにも珍しくもないのだが俺は純粋な捨て猫だと思って家に招いたものだから人に変化した時は腰を抜かすほど驚いた。
「俺様を放って仕事とはいい度胸だな」
肉付きの良い体と少し強面の顔立ち、性格も俺様ときたものだ。そりゃ捨てられるわなと内心思っていたりもするが、考え方を変えると寂しがり屋のかまってちゃんだと思えばそれはそれで可愛いところがある。
「仕事しなきゃ飯食えなくなるぞ」
「俺様が寝ている時にすればいい」
俺を過労死させる気かと思っていたらシャツの裾から手が伸びて俺の胸を撫でてくるクロ。この半獣人間と同じで発情期というものがないためか、いつでもその気になる。おいおい待てよと伸びる手を押さえながらクロの顔を睨むと不服そうに俺を見るクロ。
「分かっているか?今は昼。俺は仕事中。そしてご主人様」
「そんな事知ったことない。食いたい時に食うのが野生の本能」
クロもゲイだが俺もゲイでそっちの相性は良かった。たまにクロが甘えて来るときがあると抱いてやる。すると可愛く啼くクロに愛着が沸いてくる。
仕事もあと少しで終わりだというところだったので仕方ないと、シャツのボタンを外してゆく。ディスクワークだからとて鍛えた体はクロに引けを劣らぬ胸板がシャツの隙間からはだけて見える。するとクロが俺の乳首を舐めては軽く甘噛みをしてきた。
「おい…今回は俺が上だろう?」
「何を言っている。さっきも食いたい時に食うと言っただろう?」
俺に覆い重なりニヤリと笑うクロ。性質上タチのようで同じタチの俺と交互でという約束を蔑ろに、俺を抱きまくる。それでもいいかと思ってきてしまった俺もヤバイかもしれない。
猫のようにざらつく舌が俺の体を舐めまわす。最初は違和感があったが今じゃやみつきになりつつある。俺の股間が熱く昂ぶる。いつの間にか剥がされたズボンと下着。昂ぶるものを美味しそうに舌を這わせ舐める。
「あ…っ、その舌で…舐めるな」
「好きなくせに…こんなに先走り垂らしやがって」
昂ぶりをしゃぶりつきながら蕾に指を挿れぐりぐりと内壁を押し広げる。手馴れたもので俺の前立腺の位置を知りワザと軽く刺激する。すると俺は恥ずかしながらも腰を上げもの欲しく強請る。クロはそれが愉快で喉を鳴らし笑う。悔しいがクロの方が一枚上手だ。
「何か言いたそうだな」
「さ、…さっさと挿れやがれ」
クロはにんまり笑うと指を抜き自分の昂まるものを蕾に押し付け前立腺めがけ突き入れる。俺は涙を流しトコロテンの様に欲を出した。それを掬い舐めては満足気なクロ、そして本能のままの律動が始まる。俺はクロにしがみつきただただ野太い喘ぎをあげてはクロに翻弄される。
クロが俺の昂ぶりを扱き上げながら鈴口を爪で引っ掻くすると俺は呆気なく達してしまうが、その後もクロの律動は止まらない。
「は、早くイけよ!」
「嫌だね」
今度は俺をベッドにうつぶせにし、尻を浮かせると野生の様に腰を突きまくる。
「はぁ、…んあぁ」
俺は既に達し少し萎えた昂ぶりを震わせている。クロにとって最高な気分なのだろう嬉々としているのが目に見えるようだ。
「タチ喰い最高っ」
そう言いつつクロは最奥へと己の欲を吐き出した。
満足した後は自然と猫の姿に戻るクロ。俺はクロをベッドに寝かせ彼の躾をなんとかせねばと考える。
「まぁ、甘えたい時には甘えてくるからそこが可愛いのだけどな」
こういうところが舐められるのだろう…