短 編 集

□やっぱり君が好き
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 康介を好きになったのはずっとずっと前の話…


「ホテルでディナー?」

 休日出勤を半日で切り上げた康介が帰宅するなり英国ホテルの招待券を見せながら食事に行こうと誘ってきた。
 英国ホテルと言えば都内で有数の有名な三ツ星ホテルだ。康介はにっこり微笑みながらスーツを選んでいる。

「今日一緒した同僚が行くはずだったのだけど、奥さんが体調悪くしたからって貰ったんだ」

「英国…」

 本当なら喜ぶべきの話だが俺は渋い顔してチケットを見つめる。それに気づいた康介は手を止め俺の顔を覗き込んだ。

「嫌?」

「…男二人でディナーって…英国って言ったらセレブやカップルが多い所だろ?」

「俺は気にしてないよ?俺はアキと行きたい…アキが嫌ならやめる」

 片腕で俺をきゅっと抱きしめ空いている手で頬を撫でる康介。その顔は冗談ではなく本気で俺を想ってくれていると身にしみて感じる。俺は穏やかに微笑み撫でる手に手を重ねた。

「嫌じゃないよ…行こう。あそこの料理は美味しくて景色もいいよ」

「ん?行ったことあるの?」

「…ん、雑誌とか書いてるの見た」

 俺は軽く背伸びをし首を傾げる康介の唇を奪ってからするりと離れ、正装の服があったかと探しにはいる。
 英国ホテル…そこは俺がバーテンダーをする前に勤めていたホテルだった…。
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