ゆるりゆらゆら。
□ゆるりゆらゆら。
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「帰ろうか」
「…ん」
公園の中でも人通りが多くなってくると恥ずかしさから手を解こうとすると逃がさまいと強く握られてしまった。頬を紅潮させながらおっさんを見ると穏やかに微笑むおっさんに何となく胸が高鳴った。
「ゆる…幻滅した?」
「過去に教え子に手を出した事?」
「それもだけど。「ゆる」の事とか…」
立ち止まるおっさんに合わせる様に止まり向かい合うに立つ。すると、繋いだ手を解き俺の両頬に手を沿え真っ直ぐ見つめる。
「俺、言っとくけどほわっともゆるっともしてないよ?なんで俺がゆるなの?」
「それは自覚がないだけだよ。おっさん実は学校でもゆるの事見てた同じ過ちをしたらいけないと言い聞かせながら…だけど、想いは膨らみここでゆるに出会って想いが抑えきれなくなったんだ」
「いいんじゃない?罪になるような事してないし」
「ゆるは…嫌じゃない?こんなおっさんにべったりされて」
今更そんな事聞くのか?と頭が痛くなる俺はキッとおっさんを睨みつけ口を開く。
「あのね、子供じゃないんだから嫌なら嫌って言う。昨日キスしたのだって嫌じゃなかった…そして、松居さんって人がおっさんの初めての人って聞いてちょっとショックだった…俺、おっさんが好きなのかも」
口に出すと恥ずかしさから顔が火照りはじめ直視できず視線を落とした。