サマーウォーズ
□第八章 手紙３
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ゆかへ
誕生日おめでとう
今年は研究仲間のやつらに聞いてから選んだから失敗はないぞ
正月、お前はいつも着物を着ているから、簪がいいだろうと思ったんだ
１１歳になったな
まあ、小学五年生になったし、学校生活もあと少しで楽になるだろうな
その季節外れの東京から来た転校生
お前に話しかけることが多いらしいが。最後まで気を抜かずに一定の距離を保てよ
多分、そいつは…何でもない
夏に雪子さんが帰ってきて婚約者連れてきたってお前から聞いたときは驚いたけど、２月に結婚するんだよな
万蔵さんも見たっかただろうにな
万蔵さんは、ばあちゃんの長男で、雪子さんの父に当たるひと
俺の異母兄弟になる
とっくのとうに死んだがな
正月には必ず帰る
そのとき、簪つけててくれ
楽しみにしてる
侘助
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ゆかへ
誕生日おめでとう
こっちは忙しくなってきたよ
夏の時に雪子さんが婚約者連れてきたときは驚いたけど、あの時の質問に答えようと思ってね
大丈夫
俺は結婚しなさそうだから
ゆかがいるし、職場に出逢いはないからね
でも、あの時
俺が結婚したら淋しいと言ってくれたのは嬉しかったな〜
じゃあ、正月に会おう
追伸
俺の部屋の箪笥から、二段目の引き戸を開けてごらん
夏に用意してたんだ
誕生日おめでとう
理一
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理一へ
理一が正月も帰ってきてくれて嬉しかった
今年から、昭和から平成になるんだね
何かいいことでもあるのかな？
プレゼントに貰ったげたは私の足に一寸大きかったけど、理一がげたが小さくなってはけなくなったのを覚えててくれて、すごくうれしかった
出来るだけ着物を来て、げたをはいてるよ
そのとき、さとし君に会ったんだ
転校生の子とはよく話すって、正月の時に言ったでしょ？
でも、家だって遠いし学校以外で会うなんて初めてでね
そのとき一緒に神社に行ったんだけど、さとし君の家の話をしたら私と似てたんだ
さとし君も両親と別れて、お母さんと一緒にこっちに来たんだって
私、少しは仲良くするようにするね
ゆかより
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侘助へ
さとし君ね
私と同じだった
お父さんがいなくて、お母さんと一緒にいるんだって
それと、美咲ちゃんと知り合いだった
いつもよくいるよ
１１歳になるとね
これからどうすればいいのかみんな考えてたよ
将来の夢とか…
私、何になればいいのかわからない
先生に感想文で“幸せになる。”
って書いたら、怒られたの
だって、わからないんだもん
侘助はプログラマーにもうなったんでしょ？
これから、パソコンとかの仕事について、スーツ着てかっこよく働くんだろうな
理一は自衛官でしょ？
私も早く見つけなきゃ
ゆかより
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