サマーウォーズ


□第一章
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私の母は上杉謙信の家臣の分家の家だった。

それも私の母方は三女で分家だった。


そこまで、親戚付き合いをする人じゃなかった。


だから、今でも母の親戚に一度も会ったことがない。

最後に母を見たのは私が9歳の時だった。

母の浮気が原因だった。



当然のことのように私の親権は父になり、母親は消えた。

父は仕事ばかりで私にかまってはくれなかった。

離婚の原因は母の浮気となっているが、父の方は一度も家庭を省みるような人じゃなかった。


父が家にいた記憶などほとんどない。


仕事人間だったのだ。


おかげで私は母が大好きだった。


私は母についていきたかったが、父が許しはしなかった。

慰謝料を取らないが、その代わり二度と私に会わない。

それが弁護士を通して話し合った結果だった。


母は父から要求されていた慰謝料を払えるはずがなかった。


そして、母と5歳の時空港で別れた。


顔は覚えてないのに、空港で別れたのは覚えている。

「また会いに来るわよ。」

と。



その後私は父と暮らした。


でも一年後父が新しい人と付き合い始めた。

母よりうんと若く、綺麗だった。


父は私が邪魔になったのだろう。

6歳の時に長野のおばあちゃん家に行くことになった。

私はただの旅行だと思っていた。


いや、そう言われていた。


父は直ぐに迎えに来るといって私を一人で飛行機に乗せた。


案内してくれた空港の人が男の人だったことは覚えている。


私は都会から田舎に来てカルチャーショックを覚えたが、ほどなくして、乗り越えられた。



それはある人に会えたからだ。

その人との出逢いを話したいと思う。

その人に会えてなかったら今の私はいないだろう…。
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