books(ハイキュー)

□我慢の果てに B
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山口は俺の気を察して
黙ってついてきてくれた

)ツッキー
焼きそば買ってくるね
ここで待ってて

そう言って屋台へ走っていく
山口をぼんやり眺めていると

)綺麗な兄ちゃん
1人?

俺たちと一緒に遊ぼうよ


月島が最も嫌いなタイプの奴らが声をかけてきた

うざい

)遠慮します

)そんなこと言わずにさ

と言った途端
ものすごい力で引っ張られ

屋台の裏側の
茂みの中の木に叩きつけられる

)痛っ……!
何すんだよ

)本当に綺麗だねお兄さん
ひょっとして抱かれてる?

無遠慮にじんべの胸元から
手を突っ込んできた

)ちょっ……やめろって!

やばい気がした
このままだと強姦される

誰か





誰か




助けて








黒尾さん








ガサッ





急に茂みから別の人影が現れたと思うと俺の腕を取って走る人

あっという間に
奴らからは離れて行き

ひと気のない社へ来た

)ちょっ……
急に走らないでくださいよ…

てかあなた誰なんで……


そこまで言って
そこからの言葉を失った

)………黒尾さん


そこには黒尾が立っていた

)レイプされそうになってたら
助けるのは普通だ


そうだ
別に特別なことではない

誰だって助ける


)すみません
ありがとうございました


………あと、ついでに一つだけ
聞いてもいいですか?







言葉は止まらなくて






)夜久さんと付き合ってるんですか?

)じゃあ俺にも質問させろ








お前はまだ





)俺のことが好きか?








)先に黒尾さんが質問に答えてください

)夜久はセフレだ
お前とできなくなってから
あいつで処理してた

月島も質問に答えろ







迫る黒尾




)お前はまだ俺が好きなのか?






背筋が凍りついた







どう




答えればいいのか分からない

返事は決まっているのに







)……好きです





でもやっぱり
自分の気持ちに嘘はつけなかった


)……大好きなんです
今でもずっとあなたのことを考えてる

思い出さなかった日など
ありません

傍にいてほしいです







叶わないのは分かってた
でも伝えずにはいられなかった

好きなんだ黒尾さん



)その気持ち
今度は信じてもいいか?

またお前を信じて傍にいても
いいのか?

夜久はセフレだ
それ以上もそれ以下もない

好きだ月島
今でも好きだ




)………さっき
俺、黒尾さんを呼びました
心の底から

あの日から

長い日にちが過ぎました
つらかったです

夢みたいだ………




そう言って月島は
黒尾に寄り添った

黒尾も腰を引き寄せた


)黒尾さん………

今ならいいですよ?
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