books(ハイキュー)

□我慢の果てに @
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好きだ



それだけで十分だろ?







東京都のあるマンションの一室で
黒尾は愛しいあいつを待っていた

月島蛍

一人暮らしをする黒尾のもとへ
毎週末に帰ってくる

半同棲の2人

会えるのは週末だけであっても

その時間は幸せで
たまらなかった


)……ただいまぁ
黒尾さーん?

あぁ今週もこの幸せな瞬間がやってきた

)おかえり月島
そんな急がなくても大丈夫だって
いつも言ってんのに

)…早く会えたほうがいいじゃん


なんて愛しいんだろう

)そうだな
………会いたかった

そう言って抱きしめれば
抱きしめかえしてくる

)俺も会いたかったよ黒尾さん

色の白い身体
薄い色の短髪

綺麗だった

その唇にキスを落とせば

)…そんな急がなくても

そう言いながら舌を絡めてくるのはどうしてなのか

しばらく2人は
玄関でその幸せを
噛み締め合った




)なぁー月島ぁー

)なんですか

)今日こそさぁー

)嫌です

)まだ何も言ってない!

)セックスしよう……でしょ?

)………うん

)嫌です
明日も木兎さんの所へ行くので

)もー!!それ何回目だよー!?
てか俺に会いに来てるんじゃないのー?
なんで毎回木兎木兎って!!

)……大人げないなぁ


さっきまでの甘い雰囲気はどこへやら

最近はもっぱらこのケンカ

バレーを教えてもらうつもりで
東京へ足を運ぶ月島は
次の日の身体に負担がかかる
セックスを嫌う

)……もういい
勝手にしろ

)そうします









梟谷高校の体育館

ボールの音と共に
大きな声が響く

)ヘイヘイヘーイ!!
ブロックはしっかりボール見て!
踏み込んで跳べよー!!


高いテンションで
練習の士気を上げるのは

全国屈指のスパイカー
木兎だった

強豪校の練習は
短く濃く

午前で練習は終了する

午後は自主練習の時間


)月島!やるぞ!

)いつもすみません
お願いします

月島に最高のスパイクとブロックを

毎週のように教え込んだ

月島も楽しかった
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