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□足りないのは、ひたむきさ
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若い心が足りないなら
ひたむきな気持ちが足りないなら











俺が教えてやるよ















)若い心が足りてない……

)………え?


音駒高校の主将
黒尾のつぶやきに

孤爪が答える

)やる気ないのあいつだけじゃん
あのでっかい奴!

)……月島?

)そう!月島!
なんか、やる気出させたいなぁ


黒尾が気になるのは
烏野高校の1年、月島蛍

)よーし燃えて来た





謎なやる気を発揮した
黒尾だった






)ちょっとブロック
跳んでくんない?










そのチャンスはすぐに
訪れた









と同時に黒尾は疑問に思った





こいつはなぜ
こんなにも一生懸命になることを
嫌うのだろうか








)お前はどうして
一生懸命にならないんだ










)一生懸命やった先に
何があるというんですか?










こいつに何があったのか










知りたい










もっと月島を知りたい










)月島の兄貴が
どうやら関係してるみたいっす


どこから情報を得たのか
音駒高校の奴から聞いた話










俺が知らない
月島の一部分










なぜか腹立たしかった









黒尾は合宿中、木兎を誘わず
月島と2人でブロックの練習を重ねた







あのおチビちゃんを
叶わない相手だと思っていること

タッパもキレる頭もあるのに
何を怖がっているのか

ついつい練習が厳しくなった








ヒュッ


浅い息を吸い込んで
月島の身体が傾いた







ドサッ







)ちょっ!
月島っ!?




過呼吸を起こした月島

慣れたことらしく
自分で処置をし、
必死に苦しさを堪えてる




)大丈夫だから
落ち着け




ヒュッヒュッ


浅い息と真っ赤な月島の顔


)大丈夫だ



気づけば俺は
月島を前から抱きとめ
背中をさすっていた


月島もそのほうが楽なのか
ぎゅっと握り返してきた










そこには
得体の知れない満足感





月島を手に入れたかのような
不思議な感覚






心地よかった










復活した月島を早めに帰した










自覚した独占欲に
黒尾は少し戸惑った
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