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□愛されてたはずなのに 2
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ロッカールームに
取り残された菅原

重い体を起こすことも
泣くこともできずに
ただ呆然としているしかなかった











愛されてたはずなのに 2












)スガっっ!!!!

)スガさんっっっ!

いつまで経っても戻ってこない
菅原を心配して澤村と田中が戻ってきた

ロッカールームのベンチに
ぐったり倒れた菅原の姿

Tシャツはめくれ上がり
下はズボンも下着も履いていない
後ろからドロドロと流れ出る
白濁の液体
光のない目でこっちを見ている


)スガさんっっ!!!
何があったんですか!!
誰がこんな………

力の入らない菅原を
2人がなんとか連れて帰った






菅原が目を覚ましたのは
夜遅く、自分の部屋だった


夢であって欲しい


そう思った菅原を裏切るメール


『今週末土曜日夜、俺の家』

及川からであった



菅原は泣いた



行きたくないからではなく

自分があまりにも弱かったから

簡単に及川に屈服し

烏野セッターは影山に
なりつつある

自分は弱い

そんな自分を受け入れるのは
及川だけなのではないか

そう思った







大地も田中も誰にも言わず
沈黙を守ってくれた

俺も何も言わなかった

試合の後、土曜日の夜、
決まって姿を消す菅原を
2人はいつも心配に思っていた











)スガちゃん、そんなに
俺のこと好き?

及川が俺をめちゃくちゃに
抱いた後に決まって言うセリフ

)………うん
好きだよ

俺のことちゃんと見てくれるの
及川だけかもしれない

烏野のセッターは
多分影山1人で十分なはず
経験と3年という足枷が
きっと俺と烏野を
かろうじて繋いでいるのだ

)及川………大好き
俺をおいてかないで

)今日は一段と可愛いね

そういって俺を抱きしめる
きっと同じことを何人もの
女の子に言って、抱いているんだろうな

それでも俺には
及川しかいないんだ










『今日は本当にありがとうございましたっっ!!』

夜遅くに学校を出る
土曜日の夜、日向と影山の自主練習を手伝った

どんどん息を合わせ上手くなる
日向と影山

後輩が上手くなるのは嬉しい
これは正直な気持ちだった

それでもやっぱり
俺が不要になる日が
近付いてるんだ










『スガちゃん』






聞き覚えのある声がする

声の主は校門のところに
立っていた


)…………及川

)あ!大王様っっ!!

)…………ちっ

思い思いの言葉をかける

明らかに嫌悪の表情を浮かべた
影山


)スガちゃん…待ってたよ

その言葉に日向が
首をかしげる

)お二人はそんなに
仲良かったんですか?



)そうだよ

及川は笑った
こいつ何か企んでる

笑って近づいてきたと思ったら
おもむろに俺の顎を掴んで
キスをしてきた

)ちょっ!!及川っ
2人が見てるって……んんんっ!


見せつけるように
舌を入れて唾液を絡ませる
息が苦しくて
必死に及川にすがりつく

)んんっ……おい…か…わっ

及川はキスしながら
影山を見ている

これは俺のものだと
言わんばかりに


)ちょっ!大王様っ/////

顔を真っ赤にしてこっちを
見ている日向と

)……………


無言でこちらを
というより及川を睨む影山

ぷはっ

)飛雄?分かったかなぁ
スガちゃん、俺のなんだ
じゃあね

俺の肩を抱いて言う及川

帰り際に振り返ると

まだ真っ赤な顔をする日向と

悔しそうな
泣きそうな
つらそうな

影山の姿があった
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