イケメン王子のおっしゃるままに


□ズルくて卑しい自分
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タカヒロにはマサルの事を伏せつつ、そしてマサルにもタカヒロの事を告げずに旨くやっていこうとするズルい私が誕生した。
勿論多く会えるのは彼氏であるマサルの方だし、タカヒロの方は会う予定をこぎつけなければただのメル友という関係に納まるワケでこの三角関係はさほど難しい状況ではなかった。
だってマサルとはまだ同棲もしていないから多く会えると言っても週一の割合だし、逆にいうと一週間のほとんどはタカヒロとのメールに当てられるワケで、だからタカヒロからも他に男が出来たか?と怪しまれることはないと思えたからだ。
いや、たとえ私に彼氏が出来ようともタカヒロが血相を変える事はないのだろうけれど『私はタカヒロ一筋なんです』というアピールをしたかったからマサルのことは絶対に隠さなければいけないと思った。
言うならマサルの方がキープくんの位置付けだった。
どのツラ下げてキープを作ってんだ!て突っ込みどころが満載だけれど一生懸命暗示を掛けてもまだまだ自分に自信が持てなく特定の誰かに認めてもらわないとすぐに折れてしまいそうな弱い自分がいたからだ。
そしてイケメン・タカヒロは思うように会ってくれるか分からないし、その間男を忘れたら色気がなくなりそうにも感じたワケで、こうなりゃ性欲を食らう妖艶なサキュバスにでもなってやろうじゃないか!と思ったのだwww
次から次へと都合のいい表現しか出てこなくてホントにすみません★(-.-;)




そんな中1月10日にちょっとした用事で一人新宿方面に出向いていた私はその用事を済ませ17時には体が空いた。
タカヒロはまだ大学にいる頃かな?それともバイトの前で忙しい時間かな?と思いつつも、今日この後にいきなりタカヒロに会えたら嬉しいなぁ(*´ω`*)と淡い期待を抱きながらイチかバチかでタカヒロにお誘いのメールを送ってみることにした。









実乃果『今新宿付近にいるんだけど時間があるからカラオケでもいく?(^O^)』




と送信しタカヒロからの連絡を待った。









タカヒロ『今日は時間がないんだ。
明日なら暇かも(^^)』




とすぐに会えない旨のメールが届いたけれど無下には断らないイケメン・タカヒロがいた。


なになに?
明日なら会えるかもしれないのかぁ?
ふっふっふっ、詰めが甘いなタカヒロwww
と思いつつも









実乃果『ま、そんなことだろうと思ってたよ(^^)
じゃーまたねぇ♪』




とここはライトに引き下がってみた。
実は次の日も同じ用事で新宿方面に出向く事になっていたため今日断られてもすぐにチャンスはあると踏んでいたからだ。
静かに目論む私は次の日の夕方もタカヒロにお誘いメールを送ってみた。









実乃果『実は今日も新宿付近で用事があって今帰ってるところなんだぁ(^^)
んでもって再度カラオケのお誘いなんだけど今日この後どーっスかぁ?♪
半ば強制的って感じでよろしくぅ(≧∀≦)ノ』




と帰りの電車の中で強引に誘ってみた。


タカヒロが誘いに乗ってきたら私もすぐに行動に移せる範囲だし、断られたり返信がなかったりしたら忙しいって事でそのまま帰ればいいっかぁ。
タカヒロも彼女と別れたばかりでそう焦る事もないでしょう。
ダメならまた別の機会にでも誘えばいいのさぁ(*´ω`*)
とタカヒロのメールが早いことを見越して返信を待っていたらメールではなく通話の着信音が鳴り響いた。


どわーー!!
ちょッ!電話なんかいッ!
た、タカヒロからの電話なんて初めてなんですけどぉ!!
どーしよどーしよ!!
何て話せばいいよぉぉぉ!!?
(゚Д゚;)≡(;゚Д゚)
私は車内に居ながらも小声でその電話を取った。









実乃果『…あ、もしもし…。
今電車の中なんであんまり話せないですけどぉ…(^^;』









タカヒロ『あ、わりぃわりぃ(^_^;
今どこにいんの?』









実乃果『まだ新宿の近くにいるよ(^^;』









タカヒロ『そうか(^^)
あー、どーしようかなぁ…。』




とタカヒロは予定が空いていなさそうな口調で考えていた。









実乃果『今日無理そうならいいよ(^^;』




とタカヒロを気遣った瞬間だった。
隣の席から『早く電話切れよ!』と言わんばかりに何度も咳払いをしてくるオジサンがいることに気がついた私は多少気まずくもタカヒロのラブコールを切れずにいた。
そうこうしてる内にそのオジサンから肘でこつかれ、しまいには私の顔をズイッと覗き込んで『まだ電話すんのか!?』といった形相で睨みつけてきた。
ひぃぃぃッ!!Σ(゚Д゚;)て怖くなった私は









実乃果『ちょっとゴメン!
後でメールするわ★』




と言い残してタカヒロとの電話を切りそのオジサンがまた何かをしてくるんじゃないか!?と恐怖に怯えた私はすぐさま別の車両に移動した。
…はい、大人としてルールを守らなかったのはワタクシメの方なのでこつかれても睨まれてもしょうがない事ですよねぇ(・ω・`;)
※危険なのでいい子は真似しないように。









実乃果『ひーん★
いきなり電話切ってごめんよぉ!(≧へ≦;)
電話してたことにイラッ!としたであろう隣に座ってたオジサンに肘でこつかれ、挙げ句の果てに睨まれちゃったから電話切ったんだぁ(ノΔT)
すぐに切らなかった私が悪いんだけど怖かったよぉ★』




と先ほど起きたことをメールにしたためたところ









タカヒロ『俺のせいだな。
怖い思いをさせてごめん
m(_ _;)m 』




と健気に謝罪の返信をしてくるタカヒロがいた。


いぇいぇいぇいぇ!★
タカヒロ王子が謝らんでくだされよ!
こんな下僕がどうなろうとあなた様がのたまうことではござらんのです!(´Д`;)
悪いのはワタクシメの方で王子は決して悪くないんですよぉぉぉッ!!
と素直に報告を上げてしまったことを後悔してあわわわ★となった。
けれどもタカヒロはつづけ様に









タカヒロ『2月だったら余裕ができそうだ(^^)』




とメールをよこしてきた。









実乃果『うん、分かったよぉ♪
じゃーその頃にでもまた決めましょう(^O^)』




と私は潔く身を退くことにした。


いいもーん。
2月なんてすぐに来るんだもんねぇ。
それまでジッと待ってやるんだからぁ!
……とはいえ2月までやることがないなぁ
(-ω-`;)
んー、また自分磨きを兼ねてキャバクラ勤めでもしようかな♪
と私はまたキャバ嬢として働くことを決めたのだった。

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