イケメン王子のおっしゃるままに


□失った携帯
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携帯電話を壊してから5日が経った。
携帯をへし折る前から嫌な予感を察知していた私は事前に皆の連絡先を紙に書き留めていたから全てが無事で内心ホッとした。
なぜ紙になんか書き留めていたのかとツッコミどころが満載だけれど何せアナログ的な思考の持ち主で機械を全く信用していないから仕方がないんです(笑)


5日も空いてしまったし、まぁ特に心配はしていないとは思うけれどタカヒロにはちゃんと報告をしておこうと思った。
けれども私はここで予期せぬ問題にぶち当たった。






これってもしかして…直接タカヒロに電話をするしかないってこと?


バイトのとき以外でするタカヒロとの会話は完全にメールに頼っていたのでこれに気がついた時はあわわわ★と焦った。
直接タカヒロに電話をすること以外でこの状況を伝える手立てはないものか?ともう一度考えてみた。
同級生やお姉ちゃんに事情を話して携帯を借りてタカヒロにメールを打つという手段を思い付いたのだけれどもタカヒロと他の女の子を少しでも近づけさせたくないという醜い思いがニョキッと顔を出した為にその考えはすぐに却下となった。
私の身近にパソコンもあるワケではないしネットカフェに行ったところでアナログ的な脳ミソにはそのパソコンすらも扱えないという何とも筋金入りの機械音痴で恥ずかしくなったwww
タカヒロと5日以上も連絡を取れていない焦りから私は一つしか答えが浮かばなかった。


仕方がない…。
こうなりゃ直接電話をする……っきゃないべよぉぉ!
ここで掛けずに放置してたら私の存在なんかすぐにイケメン・タカヒロの記憶から排除されちゃうんだから。
女は度胸!ガンバレ実乃果!!
自分のシカバネは自分で歩いて墓に入ってやるぅおぉぉッ!?
と私は意味不明な言葉を呟きながら公衆電話からタカヒロの携帯に電話をすることにした。
私にとってこれが初めてタカヒロに電話をするという記念日となった。
一通りの会話の流れを考えた私はいざ公衆電話へと足を運んだ。









実乃果『…あ、実乃果だけど公衆電話から掛けてごめんね(´・ω・`;)』









タカヒロ『いや、ダイジョブだけどどーした?』




私は心臓が口から飛び出そうになりながらも携帯を折った一連の事実をタカヒロに話した。
勿論ながらタカヒロを守るために折ったとは本人には言えなかった。









タカヒロ『お前も大変だな★』









実乃果『いや〜、そんなのは大したことじゃないよぉ(^_^;)』




と私は全く問題がないように振る舞った。
しいて言うならばタカヒロとの大事なメールのやり取りが無くなってしまったことが大問題だ。
でもでもいいんだもーん!
こうして私の記憶にはシッカリと焼き付いて離れないんだからさぁ♪
さーてと、報告も終わったね。
うん。






……んで、その後はどーするんだっけ?
どーやって電話を切るんだったっけかぁ??
携帯が無くて連絡がつかないけど心配しないでね〜(^O^)とライトに締めくくるはずだったのに初めてするタカヒロとの電話に完全にパニックになっていた私はこの一言をすっかり忘れてしまっていた。
それじゃーね、と無理矢理に話を終わらせたら単に憂さ晴らしの電話をしたかのようになってしまうではないか!と思った私は咄嗟の思い付きで話をつづけた。









実乃果『あー……ん〜…でねぇ………あ、新しい携帯が欲しいんだけど!買いに行くのに付き合ってほしいな〜て思ってタカッチに電話してみたんだぁ(^^)』




口走った後にハッ!と我に返った私は緊張もピークに達し全身の毛穴という毛穴から汗がブワーッと溢れ出てきた★
本当キチョナくてすみません(´Д`;)
タカヒロはそんな私の状態を知らず









タカヒロ『あぁ、いいよぉ(^^)』




と快く答えてくれた。
あれよあれよと言う間に買いにいく予定をこぎ着けた私は静かに電話を切った。


………ぬぅおぉぉぉぉぉ!!
またタカヒロとデートが出来るのか!?
マジかぁ!?
マジなのかぁ!!?
捨てる神あれば拾う神ありとはまさにこの事なのかぁぁぁ!?
うひゃっほっほーーい!www
と込み上げる興奮と喜びにテンションMAXになるワタクシメ。
ただ携帯を買いに行くだけなのにこの喜びようときたら正に散歩に連れてってやるよ〜の御主人様の一言に尻尾をブンブン振りながら大喜びする子犬ちゃんのようではないですかww




  ※お詫びと訂正※
実際そんなに可愛くもないのに分をわきまえない過剰な表現をしてしまった事をここに深く謝罪を申し上げます。
ペコーリ <m(_ _)m>




さてはともあれ携帯を買うべく5月30日の16時ごろタカヒロと渋谷駅で待ち合わせをした。
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